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賃貸物件の空室問題をチャンスに変えるために経営者が行なうべきデジタル活用


カテゴリ:
コンサルティングコラム

いつもありがとうございます。船井総研の宮下です。
賃貸不動産ビジネスの業績アップを専門とする経営コンサルタントです。

2021年になって3回目のコラムです。
直近2回のコラムでは「賃貸不動産会社のための正しいデジタル活用(DX)」
についてお伝えしました。

前回のコラムでは、いくつかの反響をちょうだいしました。
とても嬉しいので、もう1回URLを載せてしまいます。

【コラム】優秀な社員をたくさん育成しなくても会社を成長させるためのDXのススメ
https://fhrc.funaisoken.co.jp/chintai/column/19070.html

さて、今回は「賃貸物件の長期空室問題」についてです。

*今回お伝えしたいこと
1.「長期空室問題」を「長期空室ビジネス」にする!
2.空室対策、管理戸数拡大がうまくいかない会社で起こっていること
3.うまくいかない要因は?
4.空室再生を自社の強みに変えるためのDX推進担当者は?

1.「長期空室問題」を「長期空室ビジネス」にする!

ざっくり言うと、日本には6000万戸の建物が建っており、
そのうち持ち家が3000万戸、貸し家が2000万戸あり、
残りの1000万戸が空き室になっている状態です。

※実際には800万~900万の空き室ですが、
「6・3・2・1」とイメージしやすさを重視しています。

人口は減るけれど、大きくは減っていかない新築数によって
どんどん大きくなっていくのが「長期空き室問題」です。

先日、『地方企業の教科書』の著者であり、
創生を多く手がけていらっしゃる中川直洋さんとお話する機会がありました。
中川さんは「あらゆる問題」=「ビジネスチャンス」だとおっしゃっていて、

高齢者問題 ⇒「高齢者向けビジネス」となる
人口減少問題⇒「人口減少ビジネス」となる(逆に、増えている人口に目を向ける等)

というふうにお話されていたのが印象的でした。

となれば、「長期空き室問題」も同様です。
=「長期空き室ビジネス」とすることができます。

実際、船井総研_賃貸支援部でお手伝いさせていただいている会社さまでは
「空き室再生カンパニー戦略」での一点突破で競合他社と差別化して、
「5ヵ年売上倍増計画」を実現しているケースが多いです。

2.空室対策、管理戸数拡大がうまくいかない会社で起こっていること

しかしながら、
「入居率80%台」「管理物件の増加戸数がここ数年横ばい」という
賃貸不動産会社さまのコンサルティングさせていただく際には、最初は結構大変です。
下記に、その理由を列挙してみます。

【こんなことが起こります】
・「空室対策は管理部門が行なうもの」というタテ割りの壁が立ちはだかる
・いま空いている管理物件は質が低くて入居申込みが取れない
・どんな空室対策が有効なのか、イマイチよく分からない
・空室一覧がリアルタイムで更新されておらず、最新状況が把握できない
・空室リストが複数あり、どれが正しいのか分からない
・空室の現状の設備状態が明確でなく、空室対策企画が組みにくい
・結局、「お金の問題」でオーナーが空室対策提案を承諾してくれない
・提案した空室対策内容から、だいぶ妥協したレベルの対策になってしまう
・「空室対策=管理物件に提案するもの」という意識から、
一般物件の空室への提案ができていない

自社ではいかがでしょうか?
当てはまる項目はあれば、要注意です。

「空き室再生」「空室対策」は、全社を挙げて行なうべき重要事項です。
それがスムーズにできない状態であるならば、
長期空き室問題をチャンスに変えることができず、その波に飲まれます。
結果的には、今後の成長が厳しくなります。

3.うまくいかない要因は?

その状態を引き起こしている原因に、
部門ごとで分断されている「物件情報データベース」の存在があります。

賃貸仲介、賃貸管理、物件工事、空室対策といったそれぞれの業務で
それぞれに「物件情報リスト」「物件情報データベース」があると
先ほど挙げたような問題が起こります。

経営者の方から見れば同じ物件なのに、
現場の業務をするスタッフの方には「違う物件」に見えています。

しかも、そこには「情報の重複入力」が発生していますから、
業務スピードを邪魔することになり、社員さんの労力も増えてしまいます。
チカラを合わせて空き室再生なんて、できなくなってしまうのです。

会社規模が大きくなり、スタッフ数が多くなるほど、その困難度は大きくなります。
業務標準化のために導入した部門ごとのシステムが邪魔をします。

その問題の解決に必要なのは「ワンストップデータベース」です。
全部門を通じて「共有」できる物件情報データベースが必要です。

こういうデータベースづくりも、社内にある「情報活用最大化」戦略の1つです。
要するに、必要なのは「DX(デジタル・トランス・フォーメーション)」です。

属人的手段に頼らずに「全社一体化」できる環境を実現することによって
「ヨコの連携」を強化して「生産性アップ」を図ることを目的とするもので、
その実現にデジタルシステムを活用しようという戦略です。

4.空室再生を自社の強みに変えるためのDX推進担当者は?

では、ここでお尋ねします。
空室対策に活用できる「ワンストップの物件情報データベースづくり」は、
社内の誰が中心になって進めていくと上手くいくでしょうか?
逆に誰が中心で進めていくと「失敗」するでしょうか?

勘のよい方であれば、あるいは私のコラムを読んでくださっている方であれば、
もうお分かりかと思います。

そうです。経営者の方です。
全社・複数部門にわたる業務に関する問題を解決できるのは経営者しかいません。

いや~、データベースなんて勘弁してくれ!
そんな細かいことにはしばらく携わっていないし、
そもそもデジタルなんて一番苦手だ。

…なんて場合は、解決策があります。
ご自身が「勉強」するしかありません!

そこを社員さんまかせにすると、
部門ごとの効率性をアップするシステムができるだけで、
数百万のお金だけかかり、「大失敗」することになります。

コラムで毎度、同じことを何度もお伝えするようで恐縮ですが、
「まずデジタル(オンライン)があって、その裏・その先でアナログが活きてくる」のが、
2020年代以降の企業経営です。そして、それに乗り遅れた企業から倒産していきます。

ですから経営者の方が、空き家再生・空室対策について
自ら絵を描いてDXを推進してまいりましょう。
どうしても難しければ、経営戦略を理解し、全社的な視点を持ち、
デジタルに詳しい方に相談して進めて参りましょう。

私の専門領域に「情報活用最大化コンサルティング」がありますが、
まさに上記のような問題の解決を図るお手伝いをしています。

船井総研_賃貸支援部でお手伝いしている賃貸不動産会社さまが、
地方都市でも入居率95%超を実現し、毎年のように管理物件数を
増やすことができているのは、情報活用の最大化ができているからです。

「長期空き室問題」をチャンスにかえるもの。
それは「ワンストップな物件情報データベース」であり、
その構築もまた「DX」であるというわけです。

2020年代を勝ち抜くために、2021年にチャレンジしていただけましたら幸いです。
(2021年2月18日、文責:宮下一哉)

 

下記セミナー情報も合わせてご覧ください。【webセミナー】賃貸管理DX解説セミナー2021
https://www.funaisoken.co.jp/seminar/069205

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宮下 一哉

1973年生まれ、神奈川県出身。
2002年に船井総研入社し、賃貸管理会社向けの
コンサルティングに20年超従事している。
「マーケティング×マネジメント」視点での
総合的な差別化戦略構築により
「100億×100年企業づくり」をサポートし、
大手・中堅企業から全国各地の地域一番店の
コンサルティングを担当。
「ビジョン経営」「DX」の推進などによる
社内一体化や高収益体質化を進めていく手法が
好評を得ている。
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