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賃貸仲介部門からはじまる「社員が活き活き成長する組織」の作り方
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- コンサルティングコラム
いつもありがとうございます。船井総研の宮下です。
賃貸不動産ビジネスでの「マネジメント力アップ」を
専門とする経営コンサルタントです。
強い組織づくり、社長がいなくても回る組織づくりをお手伝いしています。
今回は、賃貸仲介会社で「人的資本経営」を実現するための
「具体的な段取りの組み方」をお伝えします。
賃貸仲介会社での正しい「人的資本経営」の進め方
人的資本経営とは、人材を「資本」と考え、
企業価値を持続的に向上させるために
個人が持つスキルや能力などに投資することで
付加価値を生み出していこうとするものです。
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【今回お伝えしたいこと】
1.「人的資本経営」を自社の戦略にする
2.はじめにやるべきこと・やってはいけないこと
3.「儲かる賃貸仲介」の仕組みを取り入れる
4.社員の「成長支援型」の人事評価制度を仕組みにする
5.すべてを包括するDXを推進する
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1.「人的資本経営」を自社の戦略にする
2023年4月以降、
「人的資本経営情報の開示」が求められるようになっています。
まずは大手企業約4,000から開示義務の対象となりますが
社会的にはそれが「当たり前」になっていきますから、
対象外の企業・中小企業においても早々に着手することが求められます。
社員の成長をサポートしてくれる会社。
文化的で健康的な生活を送ることができる会社。
今後の就職活動・転職活動では、
そういう会社でないと「選ばれない」ようになっていきます。
人材の採用・育成ができない賃貸不動産会社は
労働力確保ができなくなります。
やるべきことはたくさんあるのに実行しきれず、
現職の社員は業務に追われて疲弊して
逃げ出すように退職・転職していくので
「人財不足倒産」を起こすことになるでしょう。
すでにその兆候は始まっています。
いまのうちから対応しておくことが必要です。
2022年8月に内閣官房が策定した「人的資本可視化指針」では、
人的資本の望ましい開示項目(7分野19項目)が記載されています。
項目だけだと内容が分かりにくいですが、
中小企業の経営コンサルティングに
20年超携わってきた経験から見て
特に違和感を覚えるものではありません。
人財育成・人財開発・組織づくりについて
「今後の標準になっていくもの」を国が示してくれていて
実行するべき内容が見えているのですから、
そこに準じて損はないでしょう。
では、この「人的資本経営」を
賃貸仲介・管理会社では
どのように導入・推進するべきなのか。
全国各地の実例、船井総研の持つ知見に基づいて
解説してまいります。
2.はじめにやるべきこと・やってはいけないこと
今回は最も一般的だと思われる
「賃貸仲介部門がある会社」を例に
人的資本経営の取り入れ方をお伝えします。
ちなみに、
最もやってはいけない「人的資本経営」の進め方は
「人事評価制度の整備」から始めることです。
これをやると失敗しますのでご注意ください。
費用対効果に見合った売り上げがあがり、
社員1人当たり売り上げも高い仕組み。
そこができていないのに人事評価制度を整備しても
なんにも変わりません。
若手社員もリーダーも育ちませんし、
中堅社員の奮起も幹部の意識改革も
期待する効果は上がりません。
人事評価制度の構築やリニューアルの前に、
やらなくてはいけないことから
スタートすることが正解への道です。
ですから、まず最初に
「儲かる商売の仕組みづくり」から始めます。
そこを後回しにしてうまくいった会社はありません。
3.「儲かる賃貸仲介」の仕組みを取り入れる
儲かる賃貸仲介の仕組みについては
今年のこのコラムで何度もお伝えしてきましたので
ここでは細かく触れません。
過去のコラムをお読みいただければ幸いです。
※賃貸仲介部門からはじまる「社員が活き活き成長する組織」の作り方
※賃貸仲介ビジネスで「90日で売上倍増する」ためのDXの方法
※デジタル時代の賃貸仲介ビジネスは「DX」で勝つ!
※【賃貸仲介】売上回復に必要な「3つの接客」
※賃貸仲介勝ち残りのカギは「来店前接客」
スマホ・動画・チャットが当たり前で
オンラインでモノを選ぶことが当たり前の時代です。
従来のような「来店いただいてから本気で接客する」やり方では
来店数・成約数・売り上げが徐々に落ちていき
あるとき一気になくなっていきます。
これからの賃貸仲介は上手にデジタル化し、
分業体制で「ワンチーム営業」を行ない、
通常の2~3倍の売り上げを
個々が稼げるようにならなくてはいけません。
1店舗1億円、ひとり当たり1800万の売り上げ、
若手社員が即戦力で成果を出すことができる仕組みは、
すでに全国各地の賃貸仲介会社で実現することが出来ています。
いますぐに「高収益賃貸仲介ビジネス」に
モデルチェンジすることを強くおすすめします。
4.社員の「成長支援型」の人事評価制度を仕組みにする
しっかり儲かる仕組みをつくったならば、
ようやく「人的資本経営」をど真ん中に置いた戦略に
チカラを入れることができるようになります。
最も重要なことは
「未来から逆算する人事評価制度をつくる 」ということであり、
社員の「成長を支援するため」の人事評価制度をつくって
全社一体となって「人財育成」を強化するということです。
いま、多くの不動産会社では、
結果に対してインセンティブを支払う「成果給」型の
人事評価制度が運用されていることが多いです。
これは、それぞれの仕事に対する役割が明確に規定されていて、
現場スタッフには一定レベル以上の業務内容・業務品質を求めず、
リーダー・マネージャーや社長は外部から連れてくることが一般的な
欧米型・大陸型の価値観で出来ている組織に相性のよい制度であり、
歴史・経験を積み重ね、先人からの知識・知恵を受け継いで
持続的に組織を運営・成長させていこうとする日本人の価値観に
相性のよい制度ではないように思います。
日本人の価値観に合うのは社員の「成長支援型」の人事評価制度であり
個々の社員の個性・才能に着目して最も適した役割を与え、
成果給ではなく「期待給」で賃金を支払い、
個々の成長の総和が組織の成長につながる環境づくりです。
そして、これこそが「人的資本経営」の本質であると思いますが、
いかがでしょうか?
元々あった日本的な経営に
「デジタル」「ウェルビーイング」「男女平等」「ダイバーシティ」
といった現代的な価値観を付加することで「現在版の人的資本経営」が
実現できるようになります。
5.すべてを包括するDXを推進する
賃貸仲介に限らず、社会の成熟による多様な欲求の発生や、
インターネットによる高速情報流通に対応しなくてはならなくなった
現代社会では、「商品・サービス提供の新しいカタチ」が必要です。
その実現のためには「分業によるワンチーム型の組織作り」が必要であり、
円滑な組織運営を持続的に行なうためには「タテヨコでの役割分担」と、
組織内の情報共有や報連相のためのデジタルツール活用が不可欠です。
そういうことのすべてを包括したものが「DX」であるということが
10年後の社会では当たり前になっているとよいなあと思いますが、
いまのところ、そこまでの認識を持って経営ができている会社は多くはありません。
この複合的な不況から脱却するためにも、正しくDXを理解し、
正しい手順で事業戦略・組織戦略の両輪を回していただければ幸いです。
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