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デジタル時代の賃貸仲介ビジネスは「DX」で勝つ!
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いつもありがとうございます。船井総研の宮下です。
賃貸不動産ビジネスでの「マネジメント力アップ」を
専門とする経営コンサルタントです。
強い組織づくり、社長がいなくても回る組織づくりをお手伝いしています。
本日は、賃貸不動産会社の経営者さま向けに
「デジタル賃貸仲介時代のマネジメント環境づくり」についてお伝えしてまいります。
デジタルスピード時代の賃貸仲介では、
店長の役割は「マネジメント専任」でなくてはなりません。
90年代のような
「アナログ時代」「市場の成長が右肩上がりの時代」には、
個々の社員が1から10まで行ない、
それぞれの活動の合計値=店の売り上げ
となる構造で回っている会社が多かったと思います。
しかし現在は「デジタル時代」「右肩下がり時代」ですから、
そのやり方は通じません。
デジタル時代の仕事は
「チーム制」
「個々が得意なことを担当」
「それぞれの活動を掛け算して売り上げをつくる仕組み」
で回さなくてはいけません。
そもそも1から10までの仕事を
全部完璧にできる人なんていませんし
誰しも得意不得意がありますから、
個々が出せる成果は平均70点くらいが
いいところではないでしょうか。
それでも売り上げが伸びていたのは、
市場が成長に引っ張られて実力以上の結果が出せていたこと、
退職者が出ても次々に採用ができたことが背景にあります。
いま、
情報のやり取り・取得の中心が「スマホ」「チャット」「動画」になり、
「紙」「メール」「文字」でやり取りが行なわれていた時代とは
ケタ違いのスピード・ボリュームでコミュニケーションが進む時代です。
個々の許容量・キャパを超えた情報が飛び交う時代に、
一人ひとりのスタッフがすべてを行なうやり方で
対応できるはずがないですから、
スピード・ボリュームの処理を得意とする「デジタルツール」を活用し、
細かくなった顧客ニーズに適切に対応するための「役割分担」が必須になります。
【今回お伝えしたいこと】
1.売り上げがあがらず、社員が定着しない会社で起こっていること
2.必要なことは店長を「マネジメント専任」にすること
3.DXの目的は「マネジメントを強化」すること
1.売り上げがあがらず、社員が定着しない会社で起こっていること
「役割分担が当たり前」になっているアフターコロナの賃貸仲介ビジネスでは
「空室物件のWeb掲載」については専任者を配置することが
一般的になってきていますが、更に必要なのは「物件問合せ対応」の専任化です。
既に実施している会社では大きな成果が出ているのですが、
ここは多くの会社で壁になっていることが多く、
その壁を作っているのは経営者であることが多いように思います。
その背景にある考えには、
「物件問合せ対応を専任化したら営業社員は何をするのか」
「物件問合せ対応だけさせたら暇を持て余すことになる」
「片寄った成長しか出来ない社員が増えてしまう」
「やはりオールマイティな力のある社員に育ってほしい」
といったことがあります。
また、「物件問合せ対応の専任化」を一度実施してみたけれど
自社ではうまくいかなかったので元に戻したという会社もあります。
いずれにしても、
結果としては「これまでのやり方」での役割分担・連携を続けていて、
成果の出ない状態が続いていることが多いです。
貴社ではいかがでしょうか?
2.必要なことは店長を「マネジメント専任」にすること
役割分担が必須となっているデジタルスピード時代の賃貸仲介モデルですが、
役割分担をした場合でもうまくいかないケースがあるのはなぜでしょう?
最も大きな理由は「店長がプレイングマネージャー」になっているからです。
その背景には、
店長がトップ営業として売り上げの半分を稼いでいるために
プレイヤーから抜けることができず、
「マネジメントが片手間」になっていることがあります。
「チーム制」
「個々が得意なことを担当」
「それぞれの活動を掛け算して売り上げをつくる仕組み」
で組織を回すことが求められるデジタル賃貸仲介において、
「旗を振る人」がいない状態になっていれば機能しないのは当然です。
そのようなときには、
まずは「Web掲載」を専任化して集客強化を徹底し、
月間集客数を「1店舗当たり150件以上」に伸ばすことから
始めることをオススメします。
その対応は「物件問合せ対応」を専任化して行なうことで
「反響来店率50%」まで伸ばすことができ、
合わせて「対面接客」を専任化して行なうことで
「来店成約率70%以上」に伸ばすことができますから、
「反響数150件✕反響来店率50%✕来店成約率70%=52件」
の月間成約件数を実現できます。
成約単価は郊外エリアから都市エリアで変わってきますが、
単価8~15万だと「月間売り上げ420~780万」以上の獲得が出来ます。
店長をプレイヤーから外して
マネジメント専任にしたモデルチェンジ初期としては、
まずまずの売り上げ獲得ができるのではないかと思いますが、
いかがでしょうか?
3.DXの目的は「マネジメントを強化」すること
賃貸仲介ビ会社は様々なデジタルツールを使うようになっており、
・物件掲載のためのコンバーター
・反響対応のためのCRM
・オンライン接客のためのビデオ会議ツール
・社内連絡のためのチャットツール
などを導入している会社が多くあるのではないかと思います。
しかしながら、
反響・来店・申し込みといった案件管理や各種実績の数値管理を
「エクセル」「スプレッドシート」で行なっていたり、
スケジュール管理を店舗ごと・部門ごとで
「別々のカレンダー」で行なっていたりする会社が多くあります。
業務ツールはデジタル化しているけれど、
マネジメントツールは以前からの方式のままという状態では
「デジタル賃貸仲介時代」の勝者となることはできません。
そもそも多くの会社では「マネジメント」がどういうものであり、
店長が何をすべきなのかということの
理解から進んでいないことが多いように思います。
その結果として、
店長がトップ営業として稼ぎ、
他の営業スタッフはそこそこの売り上げ実績で横ばいとなり、
皆がそれぞれに自分の売り上げを追い求める状況が
永遠に繰り返されてしまっています。
賃貸仲介に限ったことではないですが、
DXの目的は「業務効率化」ではなく、
1つは「マネジメントの強化」であり、
もう1つは「マーケティングの強化」です。
また、
デジタルツールを導入したとしてもそれを使いこなせる
「組織体制」が整備されていないと成果は出ません。
まだまだ「アナログ体質」が残る賃貸不動産ビジネスのなかで、
競合他社に先んじて
「専任化された組織」
「デジタル化されたマネジメント」
によってDXを推進できた会社が
この先10~30年の勝者となります。
そのチャンスをつかむ経営判断を、
ぜひ進めていただけましたら幸いです。
【賃貸仲介会社向け「最強の組織」づくり】反響専任チーム編
~成長している仲介会社の「反響専任チーム」は何をしているのか?~
株式会社エリッツさま躍進の秘密である「反響専任チーム」とは何か?
どのような仕組みで反響来店率45%を実現しているのか?
その全体像が、このレポート1冊で分かります。
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宮下 一哉
1973年生まれ、神奈川県出身。 2002年に船井総研入社し、賃貸管理会社向けの コンサルティングに20年超従事している。 「マーケティング×マネジメント」視点での 総合的な差別化戦略構築により 「100億×100年企業づくり」をサポートし、 大手・中堅企業から全国各地の地域一番店の コンサルティングを担当。 「ビジョン経営」「DX」の推進などによる 社内一体化や高収益体質化を進めていく手法が 好評を得ている。