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賃貸仲介,賃貸管理,DX,分業化,マネジメント
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いつもメルマガをお読みいただきありがとうございます。
船井総合研究所の杖本です。
今回は、
私たちのメルマガでも繰り返しお送りさせていただいている
「賃貸仲介3.0」についてお伝えいたします。
またひとつ転換点を迎えた賃貸仲介業界において、
時流適応 × 原理原則に基づいた「賃貸仲介3.0」とその背景や、
それを実行する上での具体的な取り組みについて、
改めて整理する機会にしていただけますと幸いです。
「賃貸仲介3.0」とは何か?
「賃貸仲介3.0」とは、
これまでの賃貸仲介を、
「アナログ集客 × アナログ接客」 を 「賃貸仲介1.0」
「デジタル集客 × アナログ接客」 を 「賃貸仲介2.0」
とした際に、
これからの時流に適応した、
「デジタル集客 × デジタル接客」
を「賃貸仲介3.0」と呼んでいます。
賃貸仲介は、
かつて、ポータルサイトをはじめとしたインターネットインフラの整備で、
転換点を迎えたときと同様に、
現在、SNSをはじめとしたスマートフォンの普及で、
またひとつの転換点を迎えています。
その転換点は、コロナ禍を経て前倒しになっています。
2024年繁忙期の動向とその背景
私たち船井総合研究所 不動産支援部が主催する
賃貸管理ビジネス研究会の会員様へのアンケートから集計したところ、
・来店率は低下傾向
・一方で、成約率は上昇傾向
・その結果、売上は横ばい
といった動向となっております。
その背景としては、大きく2つです。
①市場全体を資金力のある大手が寡占化しているため
②消費者は「来店しない」時代となっているため
一つ目の「①市場全体を資金力のある大手が寡占化している」については、
2023年の全国の仲介件数のうち、
上位トップ30の企業が、65%を占めています。
(賃貸住宅新聞社より)
つまり、集客の段階から、
大手だけでなく、競合の中小企業との競争が激化しています。
もう一つ目の「②消費者は「来店しない」時代となっている」については、
ネットショッピングの利用世帯割合は、
2011年に19.9%だったのに対して、
2021年に52.7%へと急増しています。
(総務省より)
つまり、通信技術の進化(4G⇒5G)やコロナ禍を経て、
消費者は「来店しない」で取引を行なうようになっており、
賃貸仲介についても同様に、
来店する前に内見したい物件や契約したい物件を絞り込んでいるお客様が増加しています。
この二つについては、
データだけでなく、普段の業務や生活でも実感がある部分かと思います。
こうした背景から、
来店率は低下している一方で、成約率は上昇傾向であり、
しかし、その結果として売上は横ばいとなっているのが、
2024年繁忙期の動向でした。
賃貸仲介3.0を実行するための具体的な取り組みとは
賃貸仲介3.0を実行するための具体的な取り組みは大きく3つです。
①CRMを中心としたシステムの導入と活用
②掲載・反響対応・営業の分業化=専任化
③トップ・ミドル・現場の階層ごとにマネジメントの徹底
「①CRMを中心としたシステムの導入と活用」については、
「②分業化=専任化」を行なう上で、
社内の情報共有や部署間の連携のために前提となるため、
CRMを中心として、適切なシステム導入・活用が必要です。
似た役割のシステムが入っていたり、
現場で多重入力が発生していたり、
まずは、そういった問題を解消するのが最優先となります。
「②掲載・反響対応・営業の分業化=専任化」については、
複数化・複雑化している売上アップのためのKPIを達成するために
・掲載
・反響対応
・営業
の分業化は必須となってきています。
営業マンが掲載から契約まで行なっている体制では、
同じ商圏の競合に勝つことができません。
次に、掲載・反響対応・営業を分業化し、
それぞれが専任化することでKPIを達成し、
売上アップを目指していきます。
「③トップ・ミドル・現場の階層ごとにマネジメントの徹底」については、
社長や役員などのトップマネジメントの役割は、
事業戦略をやり切るための「環境整備」を行なうことです。
例えば、
・時流に合うビジネスモデルの選定
・ビジネスモデルを実行しやすい組織体制づくり
・ビジネスモデルをやり切るためのマネジメント環境づくり
などが挙げられます。
部長や課長などのミドルマネジメントの役割は、
3年後の「売り上げの柱」と「人材の柱」をつくることです。
例えば、
・新商品や新規事業の立ち上げ
・社員のタレントマネジメント
・社員のタスク、タイムマネジメント
などが挙げられます。
店長やリーダーなどの現場マネジメントの役割は、
「5つの管理」で今期の目標を達成する
「5つの管理」とは、
①目標管理
②数値管理
③案件管理
④進捗管理
⑤行動管理
の5つです。
②の業務の分業化、つまりヨコの分業化だけでなく、
マネジメントの分業化、つまりタテの分業化を行なうことで、
一時的な売上アップに留まらず、持続的な売上アップ・会社成長を行なうことが可能となります。
今回は「賃貸仲介3.0」の定義と背景、具体的な取り組みについてお伝えしましたが、
疑問点や不明点、あるいは自社で実行する上で困っていることがございましたら、
ぜひ一度お気軽にご相談いただけますと幸いです。
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