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2022年賃貸管理業界いよいよ再編の始まり 〜コロナで未来が早まった。事業再編 成熟期から衰退期への突入!〜


カテゴリ:
コンサルティングコラム

船井総合研究所の松井哲也です。

今年も残すところ1か月を切ってきました。私は、毎年この時期になりますと、賃貸管理業界をマクロな目線で、1年の振り返りをして、来年度は、どういった方向性・戦略で行くべきかを真剣に考えます。

今回は、今までに使った事のない言葉をタイトルにいれさせて頂きました。現状をしっかり理解するために、実情をおつたえしたいと思います。

コロナで未来が早まり、成熟期から衰退期への突入した理由とは?

既に人口が止まり、2023年には世帯数も頭打ちと言われ、供給過多ですでに成熟期に入っていた賃貸管理業界です。そこにコロナがきっかけとなり、様々な事象から、いよいよ衰退期に足が掛かった状態に入っていくと考えられます。

そう考える根拠は、業界はもとより、日本で、世界で、起こっている事象が原因になります。
1)毎年発表される管理戸数ランキングのベスト30社の増加昨年対比が今年101%でした。今まで105%前後が中心でしたが、コロナ禍での理由からもあり新築減少、投資販売減少はありますが、やはり全国での管理会社に委託する率が80%に到達しているエリアもあり、市場が伸びていない事情があります。

2)賃貸住宅は、築年数が上がり、老朽化、空室化問題も深刻になっていきます。これは、賃貸管理会社の役割をより増やし、オーナーの資産価値向上に向けた本気の取り組みを求められるようになっていきます。

3)宅地建物取引業者さんは微増はしていますが、都道府県免許の事業者や、個人経営の事業者さんは減少になり、廃業、M&Aなども、コロナをきっかけに増えてきており、比較的規模感の小さい企業さんの淘汰が始まっています。

4)ハウスメーカー・アパートメーカーさんが賃貸住宅での建築棟数が伸びにくい中、中古物件の管理受託や、他社物件も含むリーシング活動などに参入してきています。大手FCも、同業種だけでなく、異業種での加盟も強化しだしています。

5)管理業登録、押印なしでの契約電子化など、法改正からの業態変換も求められています。賃貸仲介店舗、賃貸管理部門ともに、今までの業務フローでは差別化がしにくくなり、いわゆる資産コンサルティング、DX、オンライン対応など新たな業態開発を迫られる常態になります。

6)コロナは明けててはいない。まだ政界の主要国では、新たな変異株も出てきており、世界経済からの影響は続くと思われます。ウッドショック、半導体・原油価格高騰、設備関係の供給停滞など、賃貸管理業界にも大きく影響を及ぼし、戦略がたてにくくなる時期は続きます。

7)世界環境も変わってきました。SDGS(持続可能な開発目標)も賃貸管理業界でも真剣に考えなければいけない時期になりました。人や国の不平等をなくそう、住み続けられるまちづくりをなど。賃貸不動産を通じた住環境の提供とまちの維持保全が求められています。

決して、マイナス思考でお伝えしようとしているわけではありません。賃貸管理業界の経営者、経営幹部の方々には、ぜひこの現状をしっかり理解し、2022年に向けた具体的な方針を改めて立てて頂ければ幸いです。

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