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「外国人賃貸を始めている会社が、コロナ危機のいまだからこそやるべき3つのこと」
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前回は「外国人賃貸でトラブルを軽減させる方法」をご紹介させていただきました。
今回、新型コロナの影響で、国内の外国人入居者需要が無くなってしまうのではないか、また今後の外国人賃貸事業の未来は暗いのではないか、と心配している方が多いのではないでしょうか?
確かに、4月から来日する新留学生、及び外国人旅行者が大幅に減少することは確実ですが、
ご安心下さい、需要が無くなるということはないようです。
というのも、先月、私はいくつかの日本語学校を訪問し、状況をヒアリングしました。
すると、今回の新型コロナの影響で、帰国した外国人留学生の数は東日本大震災の時より少ないという事実、そして私のような在日の外国人労働者はほとんど帰国していない、逆に帰れないため、新居を探している、という事実を多数の学校から伺いました。
今回はそういった市場状況を鑑み、在日外国人及び賃貸コンサルタントの両方の目線から「外国人賃貸を始めている会社が、コロナ危機のいまだからこそやるべき3つのこと」と題して、外国人賃貸における3つのポイントをご紹介させていただきます。
①帰国した外国人入居者の家賃滞納への対応
多くの会社様で、外国人入居者が連絡せず突然の帰国してしまうと、家賃滞納や残置物の処理などを心配されるかと思います。ですが、このケースの場合、実は連絡一つで解決することが可能です。
というのも、そもそも帰国したからといって、彼らが支払い責務を放棄した、というわけではなく、しっかりと支払う意思があるケースが圧倒的に多いです。なぜなら、例えば留学生の場合、日本への留学は彼らにとって人生の重要な選択の一つですので、コロナの影響が落ち着いてから、日本に戻りたいと思っている学生が多いため、物件はそのまま借りていたいという、ニーズが多くあります。
では、実際に帰国後も家賃を回収できた会社様とそうでない会社様の違いは、一体どこにあるのでしょうか。それは、入居者と我々管理会社側が「現地SNS」で繋がりを持っているかどうか、でした。
外国人は帰国すると、携帯電話が使えなくなってしまうため、通話ができなくなってしまい、連絡の手段がありません。つまり、家賃を払わないのではなく、家賃を物理的に払えないのです。ですが、SNSでの繋がりがあれば、SNSは現地であっても活用していますので、継続的に連絡することが可能です。そのため、しっかりと回収できるケースが多いです。
実際に先日私の基にも、帰国した中国人留学生の知り合いから、「管理会社から連絡があったため、送金するので家賃の支払いを代行してもらいたい」という依頼がありました。
②日本語学校及び大学寮の管理獲得を狙う
先日、多くの日本語学校をご訪問させていただく中でわかってきたことは、4月新入生の入学延期により、寮の入居率が大幅に落ちており、運営に悩み、もう辞めようと思っている、という学校もある、という事実です。
実はこれ、今に始まった話ではなく、働き方改革が進んで気いる中で、業務時間外のサポートなどが行き届かないという理由から、寮の運営にお困りの学校様は年々増えてきているのです。
こうした今だからこそ、管理会社にとっては物件の提供、及び寮の管理を獲得できるチャンスです。商圏内の日本語学校や国立大学のリストを作成し、以前メルマガでもお伝えしました、外国人賃貸サポートプランの内容を説明できる書類と共に、担当教員のリスクや工数の削減ができるというメリットをアピールする営業をかけて、物件の提供、及び管理委託契約を結ぶことを目指していきましょう。
③帰国できない留学生へ、すぐに入居できる短期宿泊型の物件を提供する
冒頭でもお伝えしましたが私の身近にも実際に、今回の新型コロナの影響で帰国の目途が立たないまま学校を卒業し、そして、賃貸契約も終了して住まいを失ってしまった、という留学生が多数います。
そんな学生を対象に、空室物件を活用した宿泊支援を始める管理会社様も出てきました。
実際に反響が多数あり、この取り組みがビジネス面だけではなく、社会貢献という面でも高く評価されているようです。
もはや、全世界の敵ともいえる新型コロナウィルス。
「住」という生活インフラに関わる我々管理会社として出来ることは、まだたくさんあると思います。今回事例としてご紹介した外国人を対象とした物件だけではなく、今後増えてくるであろう倒産や人員整理に伴う社員寮の退去などがあれば、日本人も対象になることも考えられます。こうした目の前で困っている方々に対して、何ができるかを考え続けることも今だからこそ、大切なことだと思います。
以上、今回は「外国人賃貸を始めている会社が、コロナ危機のいまだからこそやるべき3つのこと」をお伝え致しました。
未曾有の危機に不安な日々が続くかと思いますが、皆様の少しでも参考になりましたら幸いです。改めて、一日も早い新型
コロナウイルス感染症の終息と、皆様のご健康を心よりお祈り申し上げます。