賃貸管理業は富裕層ビジネスになるのか？地域密着企業の成長戦略最前線

 
先日、世界の富裕層上位2100人が全世界の総人口の約6割・46億人よりも多い
資産を保有している、という統計報告書が国際的なNGOより発表されました。

全世界的に資産の2極化が進んでいます。
少し大きな話ですが、これを聞いて上位の富裕層に対してのビジネスをイメージ
する経営者もいれば、大多数の消費者をターゲットにする経営者もいらっしゃると
思います。

グローバルな視点でいえばそんな状況ですが、皆さんの地域で見ればどうでしょう。
地域ごとでも1億円以上の資産を保有する、いわゆる富裕層といわれる層は限られて
おり、どんなビジネスを選んでいくか、ということに頭を悩ませている方も多い
のではないでしょうか？

■地域の富裕層とは？
実際に賃貸管理ビジネスの現場でいえば、まさに地域の「富裕層」を対象にした
お困りごと解決ビジネスですが、お気づきの通り、世間一般的な「富裕層」とは
大きくイメージが違っていると思います。

例えば、Aオーナー、Bオーナー、2組のオーナーがいらっしゃいます。
現場の管理担当者に聞くと、それぞれのオーナーが「お金がない」と言って、なか
なか新しい提案が進まない。

実際にオーナーと関わり内情を聞いていくと、実はこの2組のオーナーの「お金が
ない」でも、意味合いが全然違います。

■地域「富裕層」の資産の実態は！？
Aオーナーのケース
・90歳を超えた母（健康）が地主の旦那様から資産を相続した。
・母と相談の上、お子さん（娘さん、娘さんの旦那さん）が資産を管理している。
・旦那様の相続時、多くの相続税を支払ったため、母の相続に備え、数年前に大手
メーカーでアパートを建てた。
・税理士の資産によると相続税はほぼ払わなくても良い
・アパート、戸建て、貸地含め、収益物件は10棟近く保有している
・しかし、収入が低く、借入返済も多い。税金の滞納もあるため、現金がたまらない。
・娘さんと旦那さんは別々に仕事をしており、お互いのお財布事情が分からない。
どうやら旦那さんの収入以上にお金を使っているようだ・・・。
・預貯金はほとんどない。本当に厳しくなると資産を切り売りする。新しくアパート
を建ててもどうせお金が出ていくだけなので、処分して現金に換えていきたい・・・。

Bさんのケース
・数年前に親から事業用地（賃貸している土地）、その他複数の未活用地を相続した。
・定期借地で収益性も高く、年間で1千万円単位で現金が残る
・手元に現金が数千万円ある。
・将来を考え、安い戸建てや相続した土地への賃貸物件の建築を始めた。
・新しく活用した個々の資産自体は収益性が高いわけではないが、多少の現金は残って
いる。
・将来、相続を視野に入れているが、自分の代で新しい経営をしていきたい。
・資産を継続的に増やしていくのに、手元に現金をある程度置いておきたい。そのため
に現金を残しておきたい。だから使えるお金がない・・・。

同じ、「お金がない」でも、資産状況は大きく違っていました。
実際には、Aさんでも純資産（ご自分で所有している資産）は2億円以上、Bさんでも
5億円を超える資産を持っていて、一般的に考えれば恵まれた「富裕層」ですが、
実態はここまで違っています。

そして、それぞれ、必要とされていることも違います。
そもそも、賃貸経営をやめたい富裕層のAさんには、どう資産を上手に売却し、まず
生活が安定するようにしていくか、ということが大事ですし、Bさんにとっては、新
しい資産を増やす提案をしていくことが大事になります。

地域の富裕層ビジネス、これからの賃貸管理ビジネスは、いかにこの「オーナーの資産
の未来」に踏み込んでいくか、ということが重要になりそうです。

是非、2020年はさらにオーナーに寄り添い、地域に眠る富裕層オーナービジネスへの
取り組みを強化してみてください

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