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2023年 賃貸管理会社が本当に進めるべき「3つの経営手法」! ~あなたの会社は、どのSTEPにいますか?、どの優先順位で経営を進めますか?~
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長年、賃貸管理業でのコンサルティングを進めて参りまして、今年は統轄本部に移りまして、業界を俯瞰して、業界含めて、賃貸管理会社さんの会社全体をみるようになりました。
商圏、規模、成長度合いに関係なく、賃貸管理会社にとって、必要な経営手法は3つの分かれるのではないかと感じています。
だだし、その3つを同時進行に全て推進するのは、かなり難易度が高い事も感じます。今回は、2022年最後のメルマガになりますので、ずばりあなたの会社は、何をしなければいけないのか?、、、を問う意味で
ズバリ! 2023年あなたの会社は、どの優先順位で経営を進めますか?と投げかけさせて頂きます。できれば、2022年12月のうちに、経営者・経営幹部で、本音で語り合ってください。
その材料となる提言を行いたいと思います。
それでは、2022年を振り返り、様々な外部環境、内部事情はある中で、賃貸管理会社に必要と思われる、大きく3つの経営手法について、整理いたします。今回は、あえて、原理原則・時流を考慮し、その考え方のルールに基づいてお伝えします。
【賃貸管理会社に必要な「3つの経営手法」!】
①社員さんを常にど真ん中に置く人的資本経営
②衰退期・事業再編が始まる時流の中、圧倒的一番店(差別化)経営
③避けては通れない、永続成長させるための財務資本経営
※それぞれの経営手法にて、STEP1~3を出しました。どの位置にいるかで対策は変わる。
①人的資本経営
<STEP1>
既存の社員さんの定着率が悪い。常に採用、育成を繰り返し行い、もう人事は疲れてきた。新卒採用は無理。中途採用で何とか繋いでいる状態。部長が辞めたら、回らない。
<STEP2>
社員は少し足りない時期もあるが、おおよそ回っている為、既存事業においては問題ないと思うが。採用は、新卒・中途で継続的におこなっているが、計画的にはなっていない。最低限の評価は形を作ってやてちるが、それがモチベーションに繋がっているかは微妙。実は幹部だけで回している組織なのか。今後将来に向けて成長できる組織体制は作れていない。。
<STEP3>
ビジョンを掲げて、経営計画に基づき、採用・育成・評価と計画的に整ってきた。売上、利益は問題ないと思うが、リーダー社員だけでなく、社員一人一人がもっと考えて、自ら動く、人材を活かして、未来に向けて新たな展開もしたい。5,10年後に向けた、自走できる社員を作りたい。社員から子会社でも社長ができる人材にしたい。。
人的資本経営とは、人材を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方です。また人材をど真ん中に置くことは、今までは会社の運営の中に社員さんがいたのに対し、社員さんの人生の中に会社があるという位置づけで、社員さんの夢をかなえ、価値を最大限に引き出していく事になる。
②圧倒的一番店経営
<STEP1>
自社が商圏内で1番のものはあるかと聞かれると困る。競合さんにはっきりと言える強み・差別化ポイントが見いだせていない。
<STEP2>
賃貸での集客?契約数?あるターゲット? 管理での入居率?リノベ?資産売買?、戸建管理戸数?、、何か一つ、二つは、競合さんに差別化し、1番になっているものがある。これで一番店と言えるかどうか。その1番で突き抜けているわけではなく、他の一番にもいけていない。
<STEP3>
賃貸、管理、売買で、件数・戸数では、1番になっている?近づいている?状態まできて、地域一番店になってきていると感じる。ただし、この〇〇市で、圧倒的一番店の立ち位置を築きたい。
圧倒的一番店を目指すという事は、つまり圧倒的な差別化マーケティングを進める事である。圧倒的に一番になれる商品、商圏、客層を持つことを基本としています。いろいろな商品や機能を持ちながら、一番が1つもない店を「よろず屋」というのに対し、1番を1つでも持ち、それ以外の商品や機能もあわせ持つような店を「総合化店」と言われます。それが、賃貸仲介でも、賃貸管理でも、売買仲介でも、一番を目指す「圧倒的一番店」になります。業界では、民営借家の数が決まってきますので、やはり指定商圏の中で、客層(入居者・オーナー)・商品(物件)で、その件数・戸数・売上シェアが一番になる事をさすでしょう。
③財務資本経営
<STEP1>
正直、売上、利益ともに安定していない。毎月の資金繰りが完全ではない。過去の運転資金などの長期借り入れが残っており、常に出した利益も返済で消えていく。自転車操業的になりかねない。どこかで確固たる財務体質を作っていかないと、明日がない。
<STEP2>
毎月の売上、利益はある程度確保できてきた。だだ、何か起こった際に(社員大量退職?経済危機?天変地異?大きなトラブル?)が起こったら、心配はある。新たなシステム、物件仕入れなど、投資をしたくとも、その後が心配にはなる。現状維持が続くため、成長が見えにくい。安定した資本体質を作っていかないと、近未来も見えにくい。
<STEP3>
幸いにして、自己資本も安定し、毎年の利益剰余金も残せる。少々のことが起こっても、会社は成り立っている。ただし、未来ビジョンに向けて、新たな事業や、さらなる資本投資などまでは、考えられていない。戦略として、財務・資本両面で、計画的に確立していきたい。未来を創れる、財務資本戦略を進めたい。
財務資本経営とは、局所的な状況での財務諸本を整えるのではなく、未来に向けて自社ビジョンを達成するための大局的な視点に立った財務基本計画に基づいた経営を意味します。安定的な自己資本比率を上げたり、資金調達や資産運用についての中長期的な方針も、財務諸本経営の重要な核素です。財務資本経営に基づき事業計画を立てることで、社内に対しても社外に対しても、効果的なアプローチが可能になります。経営全般ではやはり未来へ向けた事業計画を立て、実行することで、企業の経済状況は明らかになるのです。その結果、どの部門、どの商品の利益率が高いのか、また、収益性の高い会社にするためにはどうすればよいかなどを。銀行などから資金を調達する際にも、財務資本計画があると速やかに行うことができるでしょう。いつ頃、どのような手段で資金を調達すればよいかを、あらかじめ考え抜いているからです。
中堅企業(300名越)になると、「人材開発部?HR部?」、「営業推進部?マーケティング室?」、「財務部?資産運用部?」など、上記の3つの経営手法に絡む、専門部署が続々と出来ていきます。それは必要性に応じて、組織が展開していくのです。
賃貸管理業界に限らずですが、いよいよ衰退期・事業再編が本格的に始まっています。改めて、自社にある経営データをひっくり返し、本質的な強み、弱みをしっかり分析してください。その上で、2023年最も力を入れなければいけない「センターピン(ここを倒さないとすべてのピンは倒れない)」を捉えてください。それが未来へ成長する懸け橋となると思います。