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2021年繁忙期速報。コロナ禍初年度のマンスリー事業者の動きはどうなっていたのか?
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5月に差し掛かり、各社における賃貸市場・マンスリー市場の繁忙期も過ぎた頃かと思います。
マンスリー事業は新型コロナウイルスの感染拡大により、
海外からの訪日外国人観光客の大幅減少(ストップと言っても過言ではないかもしれません)や
国内の自粛等による移動減少がささやかれていました。
昨年は3月下旬~4月上旬に自粛の動きが加速し
マンスリー事業の繁忙期である1~3月に直接的に関わることはキャンセル要因などを除くと少ないと見られていましたが、
実際の動きとしては繁忙期に需要のヤマをつくれず、その後稼働率を低下させてしまう事業者様がほとんどであったように思います。
2021年は、コロナ禍の真っただ中ともいえる中でしたが、実際の動きはどうだったのでしょうか。
本日は、法人マンスリー研究会4月度のレビューも踏まえながらお伝えさせていただきます。
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【法務講座】
賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律でマンスリー業者が対応すべきこと
講師:弁護士法人 一新総合法律事務所 弁護士 栃原 遼太朗 氏
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2021年4月度例会は2021年6月に施行を控えた、
賃貸住宅管理業法についてのマンスリー事業者への影響、といったテーマで一新総合法律事務所の栃原様にご講演いただきました。
マンスリー事業では、基本的にオーナーから物件を借上げて
マンスリーマンションとして運用しているモデルが多く、サブリースでお客様に貸し出すモデルです。
今回の賃貸住宅管理業法では、こうしたサブリース業者に対する規制も入っており、
旅館業法に基づいた運営をしていない限りは賃貸住宅管理業に該当するという
法律の解釈・運用の考え方に基づいていますので、こちらの新法への対応も事業者としては行っていく必要があります。
また、4月からは、総額表記も開始となり、
一般消費者の目に触れる部分での税込み表記が必須となりましたのでこちらも注意が必要です。
賃貸住宅管理業法についてはまだガイドラインが公表されていない点もありますので、
引き続き動向を国交省などから出る情報をご確認いただければと思います。
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【ゲスト講座】
NOW ROOMの集客トレンドと法人営業で見えてきた全国の短期滞在市場
講師:株式会社NOW ROOM 取締役 柏木 祐輔 氏
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続いては全国でピックアップされている事例ということで、
短期滞在に特化したポータルサイトNOW ROOMを運営されている、
株式会社NOW ROOM 取締役の柏木祐輔氏をお招きし、
ポータルサイト事業者から見るエンドユーザーの短期賃貸に関する捉え方、などをご講演いただきました。
現在では、約80,000室の物件が掲載されているNOW ROOM様ですが、
このようなコロナ禍において掲載を進めていた株式会社M社様では、
募集掲載開始後3日で4件の成約が獲得できた、との事例がありました。
目標は1日1件の新規契約(リピート・ストック顧客を除く)というM社ですが、
NOW ROOMのポータルサイトを活用することで、1日に1.7件の契約を獲得できた、という結果になりました。
なぜ、そこまで契約が取れるのかというポイントは「契約率」にあります。
大手ポータルサイトの新規顧客からの問い合わせに対する平均契約率はM社で14%、
船井総研の会員平均でも25%程度という数値になりますが、
NOW ROOMの場合は契約率が約80%となっており、約4倍の数値となっています。
マンスリーマンション需要は法人だけではなく、個人のニーズも存在し、特にはたらき方や住み方の多様化が起きている現代だからこそ
そのニーズに合わせた住まいを提供していくことにシフトしていくことで、マンスリーマンション事業の価値があるのかもしれません。
また、法人ニーズはマンスリーマンションと普通賃貸借と区切られているわけではなく、期間の垣根がない事もポイントとして挙げられていました。
マンスリーマンション事業者が法人との提携を増やし、地域で必要とされていくためには
変わる法人ニーズの理解とそこに合わせた商品づくりが必要になっていきそうです。
変化の激しいコロナ禍において、タイムリーにエンドユーザーの情報を追っていくことが今後とも必要であることをお伝えいただきました。
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【時流講座】
マンスリー繁忙期の振り返りと繁忙期後に取り組みたい事業戦略
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時流講座では、繁忙期の結果分析と、現在伸びている集客への取組みといったテーマでお伝えをさせて頂きました。
今回のメルマガでは繁忙期の結果分析・事例といった点をお伝えさせていただきます。
賃貸業界全体の検索ニーズというところでGoogle Trendを参考にすると、
2020年のトレンドを2021年は上回り、繁忙期の検索ニーズとしては
コロナ禍にも関わらず移動を伴った動きを検討し検索するユーザーが昨年より活発に動いていた可能性がありますが、
マンスリーマンションの検索トレンドについては昨年1~3月とほぼ同水準といった結果になっていたようです。
そのようなコロナ禍の中ではありますが、研究会会員様の結果を昨年対比と比較すると、
対物件反響率(稼働物件数に対する反響数の率)約110%、
申込率が約110%、契約日数が約120%、契約単価が約95%といった結果になっておりました。
繁忙期における取組みの結果としては、昨年の繁忙期を上回る結果が出せていた会社様が多く、
理由としては2020年に本研究会でも毎回事例を紹介し取り組んできた、
反響数アップ、そして申込率アップの取組みがうまく成果につながったのではないでしょうか。
稼働率という面では、繁忙期シーズンに限った内容ではないので平均60%程度といった想定で、
目標稼働率70%に対してはまだまだ改善余地がある企業様が多いといった結果となりました。
その中でも、目立った取組み事例を2社ご紹介させていただくと、
株式会社L社様では、昨年度11月からのポータルサイト、法人営業といった取組みが成功し
反響数はそれ以前と比較すると130%~150%アップ、稼働率も70%~90%を毎月維持できています。
また、株式会社R社様では、
稼働させていたマンスリー物件のうち稼働の悪いエリア・物件を解約し、稼働の良い物件にシフトしていく動きを取り、
約20%を入れ替える積極的な施策を1年かけて実施、
現在では全エリアで平均稼働率が60%~80%と好調に推移しています。
物件の入れ替えだけではなく、自社サイトのアップデートはもちろんのこと、
商品ラインナップの拡充、ターゲットの拡大、他社がやれていないエリアへの出店など
2021年以降に進めていくべき取組みであったように思います。
コロナ禍初年度となった2021年ですが、影響の大きかった2020年とそこまで変わらない中で
やるべきことをきちんとやり切った会社様ではこの繁忙期でも成果が出ていたのではないでしょうか。
繁忙期以降に向けて、進めていきたい取組みについては、
本会にご参加いただいている会員様にご共有させていただいております。
今後ご参加いただく会社様もご入会月より過去アーカイブとしてご覧いただくことが可能です。
引き続き、本会については様々な取り組みをされている会社様をお招きしながら
逆風とも言われる情勢の中、ともに高め合いながら成長する会員組織を目指しております。
ご興味いただけましたらお声がけいただけますと幸いです。
【経営者向け 法人マンスリー研究会(経営者限定)】 次回開催予定
【日程】
2021年6月14日(月) 13:00 ~ 16:30
【会場】
WEB開催(ZOOMを使って開催します)
【内容 ※2020年度~2021年度の内容一例です】
・マンスリーの稼働率を最大化させるための集客戦略
・民泊・マンスリー ハイブリッド運用事例
・反響からの申込を最大化させる営業手法
・ポータルサイトの物件ゼロ!他社が未開拓な市場でもできた、マンスリー事業
・Withコロナ期にマンスリー立て直し戦略で反響数30%UPの商品集客手法
・賃貸×マンスリー併用で稼働と利益を安定させるニューノーマル事例
・稼働率を最大化させるレベニューマネジメントとRPAの取組み事例
・最新データみる!マンスリー時流予測
【話を聞いてみたい、参加を検討したい会社様はこちら】
https://lp.funaisoken.co.jp/mt/fhrc/monthly-study.html
(経営者様・経営幹部の皆様限定)