コラムCOLUMN
『このまま不動産テックを進めても上手くいかない5つの理由!』
- カテゴリ:
- コンサルティングコラム
「ツキを呼ぶ 船井幸雄の教え」
船井流 経営者論メールセミナー Vol.54
『このまま不動産テックを進めても上手くいかない5つの理由!』
賃貸支援部 松井哲也です。
今回は、船井幸雄の教えである「時流適応」に、どう取り組ん
でいくかについてご紹介したいと思います。
今の賃貸管理会社さんは、管理戸数のシェアを上げても、仲介
で売上を上げていっても、労働集約型の業務が中心になっています。
人口減少、成熟業界の中で、なかなか採用が進みにくく、つぎ
なる戦略にもより差別化が必要になってきています。
さらなる成長戦略を進めるにあたっては、今の業務を見直し、
徹底した業務効率を行うことが最も重要です。
これが業界での時流適応です。
2019年あたりからは、賃貸管理業においても「不動産テック活
用」が最重要課題になってきました。
しかしながら、どうも賃貸管理会社さんでは費用をかけて、
テックを導入しても、なかなか成果を上げられない現状もわか
ってきました。
そこで改めて、
『このまま不動産テックを進めても上手くいかない5つの理由 』
をお伝えしたいと思います。
(1)賃貸仲介、管理ともに、業務の標準化がなされていない!
例:クレーム対応を効率化したいので、入居者からコールセンタ
ーに直接電話がいくようにしたい。
あとはコールセンターから業者対応やりきってもらい、
内容は後々システムで共有したい。
→クレームが起こった場合、水漏れの場合?違法駐車の場合?、
業務の流れ、共有フォーマット、内容ごと外注会社、
オーナー負担は幾らまで事後報告、など業務のやり方が会社と
して標準化されていない。コールセンターにキチンと
説明出来ず、結局、電話はかなり戻ってきてしまう。
(2)管理ソフトなど基幹ソフトに情報が整備されていない!
例:管理ソフトと、入居者アプリを連動して活用し、入居者から
のクレームをチャットで受けて、業者発注、精算まで速やかに
対応したい。
→管理ソフトに入居者情報、建物工事履歴が、キチンと入って
いない。連動しても意味がない。入居者アプリに改めて情報
入れる? それは二度手間出し。
(3)社長と社員の業務把握にギャップがある!
例:営業マンが、店舗で契約を対面で時間かけてやってたら大変
なので、本部事務社員にてIT重説を進めたい。〇〇のIT重説の
システム契約して進めたい
→いやいや、まだうちには早いですよ。事務にやらせるって、
宅建持ってるの店長と一部の営業だけですよ。
事務さん持ってないし、他でパンパンです。営業がやるなら、
今まで通りで良かったのに、、月々お金掛かるって言われて
も。もう少し現場理解して下さいよ、、
(4)現場社員がリーダーシップとれない!
例:管理ソフトをクラウド版にバージョンアップしたい。情報を
誰でも常にクラウドにて共有したい。
→誰か、仕切れるかな?社長も、部長も、細かい事はわからな
い状態。〇〇さん仕切ってやってよ。いや、私は出来ないです!
どこから、どう進めたら良いのかわかりません。
前のままでいいのでは。変えるの大変です。
(5)事務社員、パートさんは、効率化したいと思っていない!
例:家賃管理は作業だらけ。いつも月初から15日までは残業だら
け。RPA入れ、ロボットにやってもらいたい。
→〇〇さんこういうの得意でしょ!RPA進めるのに、費用は高い
けど研修あるから行ったら、シナリオ作れるようになるから。
いやですよ!もう毎月、お金かかってるんですか?
研修もお金かけて、、無理ですよ、、ロボットが
家賃管理なんてできないし、、社長、どこかで聞いてきて勝手に
契約しないで下さい!
→だいたい、効率化したら、私の残業代月〇〇万円減るでしょ。
ていうか、パートさん切るつもり?私も要らない?絶対進めたく
ない。今まで通りでやり続けよう。だいたい、私がいなけりゃ、
家賃管理は出来ないし。
いかがでしょうか?社内の仕組み上、環境上、また組織上に課
題があります。
上記を解決する為に、今一度、進めなければいけないことは、
(1)賃貸管理業務の標準化、(2)基幹ソフトの整備、
(3)不動産テック、その先に何を目指すか示す、そして社員さん
たちはどうなるか?も示す。
繁忙期を乗り越えたのち、ぜひ不動産テックへの推進に向け、
これら解決する方法論を進めて頂きたいと思います。