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【人財育成】早期育成のための新人教育プラン
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いつもありがとうございます。船井総研の宮下です。
賃貸不動産ビジネスを専門とする経営コンサルタントです。
前回の私のコラムでは、新規出店・エリア拡大のための人財戦略として、
リーダー育成のヒントをお伝えしました。
今回はいよいよ本格化しているであろう、
「新人教育」のコラムをお伝えします。
本題に入る前に、ちょっとだけお知らせです。
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お知らせ:【インタビューレポート】地域密着で圧倒的シェアを実現する人事評価
URL:https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/fhrc-chintai__00797?media=fhrc-chintai_S017
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コロナ禍でも賃貸管理戸数を伸ばされ、
5年間で管理戸数3,000戸アップ、若手リーダーを170%増やされた
株式会社のうか不動産さまにお邪魔した際のインタビューレポートです。
2020年のコロナ禍でも新規出店を実現されており、驚きです!
繁忙期でお忙しい中、苗加社長と人財開発の責任者の方にお話をお聴きし、
その内容をまとめています。見どころ満載です☆
新人が育っても、全員が営業マン止まりでは
組織が大きくなりません。
新人の中から「若手リーダー」を抜擢し、育成するヒントが
このレポートから見えてくると思います。
ぜひダウンロードいただき、ご一読ください。
それでは、本日の本題です。
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【今回お伝えしたいこと】
1.イマの若者たち
2.5人採用したら5人を育て切る
3.新人の教育プログラム例
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1.イマの若者たち
4月も中旬に入り、
そろそろ採用した「新人」がなじんでくる頃かと思います。
船井総研にも新人が入り、研修を経て、
まもなく各部へ配属となります。
全国の賃貸管理会社さまでは、
今年はコロナもある程度見通しが付いたため、
採用を進めている会社さまも多くいらっしゃいます。
私も先日、とある会社さまで新人研修を
一日かけて行ないました。
数年前から「デジタルネイティブ世代」という言葉が出てきていますが、
年々、ネイティブ度が増しており、
良くも悪くも「ネットに強い」若者が多い印象です。
彼らの特徴を挙げると
(1)答えは考えるよりも検索
(2)答えは聞けば見つかると思っている(教えてもらえると思っている)
(3)仕事とプライベートを切り分けている(ワークライフバランスを重視)
などでしょうか。
そうすると、
①物件はネットにあると思っている
②お客様の希望(=答え)はお客さまに聞かないと分からない
③私には「わたしの個性」がある
という考えにたどり着き、
❶希望条件通りに検索するだけの物出し
(=ポータルサイトと何ら変わらない)
❷お客様との応対が「一問一答形式」になる
❸会社の考え方の前に、まず自分
という行動へ繋がっていきます。
①~③の考え方のまま、
誰かの営業に同行している(OJT)だけ、では
紹介している物件を「誰かがオーナー様から仕入れ」て、
「誰かが空室対策をし」て、
「誰かが写真撮影&ネット掲載をし」て、
という背景の部分を自らは考えないまま、
本番を迎えることになります。
オーナー様・入居者様の問題を解決していることや
自社が根付いている街を良くしていることには気づかないまま、
「わたし」の考えで仕事をするようになってしまいます。
何を伝えたいのかと言いますと、
OJTを行なう前に
「しつけ」と「初期教育」が必要 ということです。
学校教育では許されていた「わたしの基準」を
社会に適応している「自社の基準」に書き換え、
仕事へのスタンスやビジネスマナー、チーム思考などは
しつけで叩き込む必要があります。
そのあとにはじめて、
営業のやり方や社内システムの使い方などの
テクニカルスキルを教えていけばよいでしょう。
そして、これは中途社員であっても変わりありません。
自社の「マインド」や「理念」を理解し腹落ちしてもらうだけでなく、
前職の悪いクセを抜く期間でもあります。
私がお手伝いしている会社様であったのは、
・お客様とのアポがあれば、他の仕事は断っても良い
・数字さえ上げていれば文句を言われる筋合いはない
というクセが付いた中途社員さまもいらっしゃいました。
社員全員が一丸となって、
管理拡大や売上向上をするためには
足並みを揃えておかなければなりません。
この春、新人をしつけるタイミングで
いま一度、自社の
・ミッション=自社の存在意義
・ビジョン =自社の目指す姿
・バリュー =自社が提供したい価値
・経営理念
・人財理念
・行動理念
を確認し、浸透を図っていきましょう。
もし、明文化されていないということであれば、
遠慮なく、船井総研にご相談ください☆
しつけと初期教育に話を戻しますと、
当社の新人教育でこんなことはありませんか?
・とりあえず、1か月間は自社物の写真を取るよう指示している
・社内で一番優秀な営業マンに同席させている
・新人の育成は現場に任せている
もしそうであれば、ご注意ください。
しつけと初期教育がきちんとなされていない可能性があります。
この不安定な時代の中で、
自社が勝ち続けるためには、
「強い組織」が必要です。
その組織を構成する社員さまには
「チカラ」を付けてもらわなければなりません。
今回、採用して上手くいかなかったらいいや…ではなく、
5人採用したら5人育て切る、
3人採用したら3人育て切る、
そんなつもりで新人を育てていくことが
中小企業のあるべき採用戦略かと存じます。
2.5人採用したら5人を育て切る
では、5人を採用し、5人を育て切る、
採用した全員を育て切り、戦力化するには
どうしたらよいか。
大事な考え方は「人財ファーム」という考え方です。
人財ファームとは、
自社の一部門で仕事の楽しさや基礎、
賃貸管理ビジネスの全体像を伝えきり、
徐々に業務範囲を広げ、
他部署へ異動・ステップアップする流れ
の考え方を意味します。
具体的には
賃貸仲介の営業アシスタント(営業事務)が
人財ファームとなるのが良いでしょう。
業務内容は
「案内」「契約処理」「写真撮影」などで、
お客様と接しながらも裏側寄りの業務になります。
このポイントは
①お客様と接しながら、仕事の楽しさを感じてもらう
②裏側の業務で、仕事の背景を知る
③契約処理等で、仕事の段取りを学べる
の3つです。
クロージングが必要な「営業」や
宅建士が必要な「重説読み合わせ」は避けているため、
いつでも誰でも取り組むことができる仕事です。
そのため、業界未経験者を採用しやすいことも
この「人財ファーム」の特徴です。
そして、営業アシスタント(営業事務)で
すくすくと育った後には
そのまま賃貸の営業や反響対応に進み、
ベテラン営業マンは店長や管理部へとキャリアアップする。
社員さまが気になるのは「組織図」と「お給料」ですから、
こんな新陳代謝が出来れば、新鮮で成長する組織に
生まれ変わることができます。
それだけでなく、強い組織づくりに欠かせない
「リーダーの輩出」も行ないやすくなります。
ちなみに、前回のメルマガでお伝えしましたが、
「リーダーを輩出する目的」は
「なんでもかんでも兼務体制」を無くし、
「重点施策に集中できる体制」を作ること
でしたね。
さて、全員が「営業アシスタント(営業事務)」というのは
現実的に難しくとも、
一度人財ファーム部門に集めて、育てていってはいかがでしょうか。
次のセクションではそのプログラム例をご紹介します。
3.新人教育のプログラム例
私のお手伝いしている会社さまでの
新人教育プログラム例をご紹介します。
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【新人教育プログラムの例】
フェーズ1:しつけと初期教育(4月・1か月間)
*「週ごと」に、フィードバックする(人財開発室より)
*「仕事の全体像」「仕事の楽しさ」を伝える
・1週目: 部門①ローテ
・2週目: 部門②ローテ
・3週目: 部門③ローテ
・4週目: 部門④ローテ
フェーズ2:仮配属(5~6月・2カ月間)
*「月ごと」に、フィードバックする(人財開発室より)
*「賃貸営業部の全体像」「仕事の楽しさ」を伝える
・営業同席、案内同行(OJT)
・営業アシスタント / 営業サポート / WEB戦略室
フェーズ3:本配属(7~9月・3カ月間)
・賃貸仲介部門に配属
・営業アシスタント / 営業サポート / WEB戦略室
フェーズ4:キャリアアップ(10~9月・12カ月間)
・賃貸仲介部門で継続
・営業アシスタント / 営業サポート / WEB戦略室
もしくは…
・賃貸管理部門に異動 (営業 / 事務)
・売買仲介部門に異動 (営業 / 事務)
・本部に異動 (総務 / 経理 / システム / 広告)
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いかがでしたでしょうか。
もっと具体的に知りたい!という方は
遠慮なく船井総研へお電話ください。
現状の研修方法をお聴きしつつ、
御社に合わせた研修の組み方をアドバイスいたします。
新人は1年かけて半人前となり、
一人前に育つには3年かかると言われますが、
冒頭でご紹介したインタビューレポートの
「のうか不動産さま」では、
新人は3カ月で半人前となり、
1年で一人前に育っていらっしゃるような感覚を受けます。
是非皆様の会社でも「若手社員の育成」をベースに、
教育プログラムを見直ししてみてください。
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僅か5年で若手リーダーを170%増やされた
「のうか不動産さまの組織づくり」について、
直接お聴きいただく機会がございます!
下記日時でセミナーにご登壇いただきますので、
是非スケジュールを調整してご参加ください☆
日程: 「2022/4/26(火)」「2022/5/24(火)」の2日間から選べます
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【賃貸管理会社向け】全員戦力の人事評価セミナー
宮下 一哉
1973年生まれ、神奈川県出身。 2002年に船井総研入社し、賃貸管理会社向けの コンサルティングに20年超従事している。 「マーケティング×マネジメント」視点での 総合的な差別化戦略構築により 「100億×100年企業づくり」をサポートし、 大手・中堅企業から全国各地の地域一番店の コンサルティングを担当。 「ビジョン経営」「DX」の推進などによる 社内一体化や高収益体質化を進めていく手法が 好評を得ている。