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【人財育成】新規出店・エリア拡大のための人財戦略
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いつもありがとうございます。船井総研の宮下です。
賃貸不動産ビジネスを専門とする経営コンサルタントです。
前回の私のコラムでは、賃貸管理会社の悩みを解決するための
3つのポイントをご紹介しました。
今回は管理会社が「攻め」に転ずるための
ポイントをお伝えします。
本題に入る前に、ちょっとだけお知らせです。
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お知らせ:【インタビューレポート】地域密着で圧倒的シェアを実現する人事評価
URL:https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/fhrc-chintai__00797?media=fhrc-chintai_S017
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コロナ禍でも賃貸管理戸数を伸ばされ、
5年間で管理戸数3,000戸アップ、若手リーダーを170%増やされた
株式会社のうか不動産さまにお邪魔した際のインタビューレポートです。
2020年のコロナ禍でも新規出店を実現されており、驚きです!
繁忙期でお忙しい中、苗加社長と人財開発の責任者の方にお話をお聴きし、
その内容をまとめています。見どころ満載です☆
新規出店のためにも不可欠である「若手リーダー」を育成するヒントが
見えてくると思います。ぜひダウンロードいただき、ご一読ください。
それでは、本日の本題です。
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【今回お伝えしたいこと】
1.拡大のカベは「組織のカベ」
2.リーダーの育成が兼務体制を解決する!
3.自社ではリーダーが育っているか?
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1.拡大のカベは「組織のカベ」
2022年の繁忙期が終わって閑散期に入り、
3回目のコロナワクチン接種も続々と完了しているかと思います。
いよいよ止まっていた計画を本格稼働するタイミングです!
コロナ禍の2年のなかで、
全国の賃貸不動産会社さまで起こっている様々な問題を見てきました。
本メルマガでも紹介してきましたが、
「組織づくり」という観点では
・力のある役職者や現場エースの退職
・せっかく雇った新卒社員の退職
・急ごしらえで採用した中途社員も退職
と、「退職」に関するお悩みの相談を受けるケースが多くありました。
特に繁忙期前後には多くなりますね。
新卒社員の退職はもちろん、ましてや「エース級社員」が辞めると
現場が「兼務」の体制になり、売上を上げにくくなったり、
新たな施策は進まなかったり、と「勝てる体制」から遠のいてしまいます。
すると余計に退職に拍車がかかり、1名から2名、3名、、、と
退職が続いてしまう会社さまもございました。
こうなると幾重にも「兼務」が重なり、
・誰が何をやっているか把握できない
・なんとか回っているだけで「攻め」の仕事ができない
・新人どころかリーダーの育成にも手が回らない
そんな状況に陥ってしまいます。
すると、賃貸管理戸数拡大・店舗エリアの拡大が
社長の頭の中では描けていても
「組織づくり」がカベとなり、進みません。
まさに「絵に描いた餅」となってしまいます。
施策が進まない要因、会社の規模が大きくならない要因、
いまいち「成長軌道」に乗れない要因。
集約すれば「ヒトの問題」「組織の問題」が
自社の成長を妨げているということかと思います。
御社では、いかがでしょうか??
先日私がおじゃました会社さまでも
「もう出店できる場所は何か所か押さえてある。
あとは店舗をマネジメントできる店長が育つだけ」と
経営者の方が言い切ってらっしゃいました。
特に、すでに3店舗以上出店されている会社の経営者の方は
・出店後の「勝てる体制」と「勝てる施策」までは描けているのに
要となる「新店舗のリーダー」が育たず、やきもきしている…
あるいは、
・既存店の店長が辞めてしまい、
次期店長を置いたものの、現場をマネジメントできずに
思うように売上が伸びず、やきもきしている…
なんてこともあるのではないでしょうか。
こういう「やきもき」を解決するために必要なこと。
間違いなく「ヒトの問題」「組織の問題」を解決することであり、
その問題をできた会社さまは5店舗・10店舗・20店舗と
仲介店舗の数を増やしていくことができていらっしゃいます。
コロナ禍でも業績を伸ばし、
エリア拡大・新規出店している会社様の共通点は
「強い組織づくり」にあります。
そして、「現在の強い組織づくり」とは
リーダーの育成+デジタルツールを活用した組織再構築
を意味しています。
店舗間・部門間の「情報のバトン」をデジタルツールがつなぎながら、
育った若手リーダーを中心に現場の「勝てる体制」が作られている。
すると、業績も自然に上がってくる。
そんな好循環が回っていきます。
では、強い組織づくりに不可欠な「リーダーの育成」は、
どのように行なうことがベストでしょうか?
2.リーダーの育成が兼務体制を解決する!
強い組織づくりに欠かせない「リーダーの育成」。
その一番の目的は
「なんでもかんでも兼務体制」を無くし、
「重点施策に集中できる体制」を作ること
にあります。
例えば、御社でこんな状況があったら要注意です。
(兼務体制の例)
・賃貸管理部の部長 / 課長が、賃貸仲介部門のマネジメントを兼務している
・店長不在の仲介店舗がある
・営業社員が、反響から契約書作成まで全て兼務している
・デキる事務社員さんに業務が集中して疲弊している
・オーナー営業担当者が入居者対応も兼務している
・実は社長ご自身が兼務している現場業務が多い
いかがでしょうか?
こういった状況から抜け出すためには
仲介店店長、管理部部長、仲介営業事務リーダー、入居者対応リーダーなど、
「マネジメント職」をきちんと設置し、各リーダーに任せていくことが大切です。
完全なる専業が難しい場合は、
7:3の比率でメイン業務を決めておくことが良いでしょう。
リーダーを設置すると「チーム」ができますから、
メンバーを採用して育成する段階へ
はじめて進むことができます。
まかせられるリーダーがいたら苦労しないよ…
と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
また、
船井さんみたいな上場企業と中小では違うよ…
なんて思われる方もいらっしゃるかもしれません。
失礼ながら、その意見は「間違っている」と思います。
どんな会社も最初は「数名」から始まりますし、
人数が増えたからといって「優秀な方」ばかりで
構成されているわけでもありません。
重要なのは
「抜擢する正しくリーダーを見極めること」
です。
年次や経験ではなく、素質のある方を抜擢することができるか?
それが「経営者の方の役割」になります。
抜擢する基準を一つ挙げるとすれば
「逆算思考」が強い人でしょう。
この逆が「積み上げ思考」になります。
仲介店舗で「来店数」が少なく売上目標に届かなかった場合、
積み上げ思考のリーダーは
「来店数が少ないからもっと呼込みを頑張ろう!」となります。
積み上げ思考の方は「目の前のこと(反響や来店)」に
対処することは得意ですが、
ゴールから逆算して「こと(反響や来店)」を作ることへは
あまり目が向かない傾向にあります。
一方、逆算思考のリーダーは
「来店数を上げるためには反響の温度感を上げたい…
そのために魅力ある商品を作ろう!
だから、仕入で商品数を増やそう / 自社物の空室対策をより強化しよう」
と反響や来店に繋がる大元から施策を検討します。
この他にも当社の理念・マインドが浸透しているか?
なども有ろうと思いますが、
いずれにしても、年次・経験に寄らず
素質のある方を抜擢することが大切です。
3.自社ではリーダーが育っているか?
自社においてはいかがでしょうか?
私も船井総研で何年も役職者を勤めていますが、
リーダーを育てることは簡単ではないですよね(笑)。
ですが、
・リーダーに求める姿を明示しておく
・常に目標から逆算して計画を組めるよう指導する
など、仮に逆算思考に絞っても
いまから取り組めることはたくさんあります。
中期経営計画と合わせて、
「人財の育成計画」も練ってみてはいかがでしょうか?
冒頭にご紹介した「のうか不動産」さまでは
リーダー育成の一環として、
各職位別に求める姿を明文化した「スキルマップ」を含む
「成長支援型_人事評価制度」を運用されています。
5年間運用し続けた結果、若手リーダーが170%も増え、
コロナ禍の出店にも繋がっていらっしゃいます。
実際に社員を評価する際には、
結果を評価して終わるのではなく、
・個々の社員がどういう風に成長してほしいか
・そのサポートとしては何ができるか
を社長~幹部社員で話し合っています。
1人ひとりの育成計画を話し合っているというわけです。
もちろん、社長1人ではやりきれませんので、
「人財開発室」を設けて、毎年しっかり実行されています。
事業計画、なにをやるか?を練り上げることは大切ですが、
いまは「どうやるか?」「誰がやるか?」を先に考える
「組織づくりファースト」の経営が、ますます重要になってきています。
もし、ここ数年の自社の成長が「横ばい」「減少」の状態であるならば、
是非「組織づくり」を見直すことをおすすめいたします。
「のうか不動産さまの組織づくり」について、
直接お聴きいただくことができます!
下記日時でセミナーにご登壇いただきますので、
是非スケジュールを調整してご参加ください☆
日程: 「2022/4/26(火)」「2022/5/24(火)」の2日間から選べます
時間: 「13:00~16:00」のたった3時間です
オンラインでも参加可能ですから、
忙しい経営者・幹部の皆さまでもサクッとご参加いただけます。
ぜひ上手にご活用ください。
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お知らせ:全員戦力の人事評価セミナー
URL:https://www.funaisoken.co.jp/seminar/084538
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【賃貸管理会社向け】全員戦力の人事評価セミナー
宮下 一哉
1973年生まれ、神奈川県出身。 2002年に船井総研入社し、賃貸管理会社向けの コンサルティングに20年超従事している。 「マーケティング×マネジメント」視点での 総合的な差別化戦略構築により 「100億×100年企業づくり」をサポートし、 大手・中堅企業から全国各地の地域一番店の コンサルティングを担当。 「ビジョン経営」「DX」の推進などによる 社内一体化や高収益体質化を進めていく手法が 好評を得ている。