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分譲住宅会社が取るべき 「土地仕入れ戦略」とは

 
こんにちは。
船井総合研究所 分譲住宅ビジネスコンサルタントの本倉裕大(モトクラユウダイ)です。
いつもコラムにお目通しをいただきありがとうございます。

今回のコラムでは分譲住宅会社が取るべき「土地仕入れ戦略」についてお伝えいたします。

分譲住宅事業の取り組まれている不動産会社様が今後の戦略として最も気になっている一つのテーマは
土地仕入」についてではないでしょうか?

土地の仕入れはどうすればいいの?

 
ご支援先をはじめとする多くの不動産会社様より、土地の仕入れに関する以下のようなご相談やお悩みの声をいただいております。

不動産会社のよくあるお悩み

■多くの分譲住宅会社様や注文住宅会社、不動産会社からいただくご相談

  • ・今の時期に土地を買っても大丈夫?
  • ・分譲事業に参入したいけどタイミングはいつがいい?
  • ・今後地価の変動ってどうなりそう?
  • ・どのような土地を買っていけばよい?
  • ・在庫リスクを減らすのはどうすればよい?
  • ・仕入れの担当者は?
  • ・そもそもどうやって土地を仕入れればよい?・・・etc

 
現在はコロナショックの影響もあり先行き不透明な中での土地の仕入れのポイントは「市況を鑑みたうえで売れる土地に条件を絞って仕入れること」になります。

とは言え、「今すぐに土地購入の判断ができない」というケースも多くあるかと存じます。

しかし、建売分譲事業は土地の仕入れがなければ販売するものがないため事業が進みません。

安定した仕入れを実現する「2等立地建売分譲戦略」

本日は既に分譲事業に取り組まれている不動産会社様、これから参入を検討されている不動産会社様へ
土地仕入戦略の一つとしてのモデルとなる事例をご紹介いたします。

そのモデル事例とは「2等立地建売分譲戦略」です。

一般的に分譲住宅は市街地中心部の1等立地でなければ販売が難しいと考えられるケースが多いです。

確かに分譲住宅の購入者は立地条件を重要視するため、中心部や駅近の立地は望ましいですが、1等立地の人気物件となると土地の仕入値が高くなることや、その物件を購入できる高収入層のお客様に合わせた建物仕様となるため販売総額が上がり、結果として長期在庫になるリスクがあります。

また、毎回異なる建物仕様を計画するとなると着工までに時間がかかり資金が長く眠ることになります。

分譲事業の失敗例として、1等立地を狙いすぎて他社と競合して土地の仕入れが計画的に行えないことや販売総額が高くなることにより長期在庫になるということがあります。

地域密着の住宅不動産会社としては、分譲事業で業績を伸ばすために安定的な土地の仕入れと在庫リスクの最小化は必須になります。

そこで今回ご紹介するのが「2等立地建売分譲戦略」です。

「2等立地建売分譲戦略」って具体的には?

 
「2等立地建売分譲戦略」とは、他社が積極的に買わない2等立地を仕入れることで、1等立地と比較し、安価で安定した仕入れを行う戦略です。

不動産会社が「2等立地建売分譲戦略」を行うメリット

2等立地分譲戦略のメリットは大きく3つあります。1つ目は、土地を安く仕入れられることです。
当然ですが2等立地は1等立地に比べて地価が落ちるため、土地の仕入れ値が安くなります。
分譲住宅の購入者は立地条件を重要視していますが、それ以上に重要視しているのが「価格」です。
仕入れ値を安く抑え、規格化した住宅を建てることにより販売総額を抑え、市場ニーズに合った住宅を供給することができます。

2つ目は、計画的に土地の仕入れが行えることです。
人気の1等立地は競合も仕入れを積極的に行っているため、土地情報の収集が難しく計画的に土地の仕入れが進まないことがあります。
一方、2等立地では競合も少ないため安定した土地の仕入れが可能となります。
また、競合が少ないことにより供給過多にならず、販売面での集客もしやすくなります。

3つ目は、投入金額が少ないことです。
基本的には1現場あたり1区画~4区画の小規模分譲が主要となり、1区画あたりの価格も1等立地と比べて安いため、仕入れのための投入金額が少なくて済みます。
販売面においても小区画現場の場合、長期在庫になりづらく早期に完売させることが可能です。
また、小区画のため地価が下落したとしても経営を左右するようなリスクは出づらいです。

つまり、2等立地分譲では安定的な土地の仕入れと在庫リスクの最小化が実現しやすいです。

二等立地を計画的に仕入れるために

二等立地は商品化できる土地が少ないため、安定して分譲住宅を販売しようと思うと多くの物件情報を取得する必要があります。

不動産会社の仕入れ業務の基準数値

図のように、目標設定とそれに対しての目安数値を決めることで必要な土地情報数が分かり計画的な仕入れを行うことができます。

これらを実行するためには不動産業者回りをしなければなりません。
この業者回りの営業フローやツールを標準化することで未経験者でも土地情報を取得することが可能です。
また、これを行うために必ず仕入れ専任者を設置して下さい。
土地の仕入れには多大な工数が必要となるそのため、営業の合間に出来るようなものではない上、土地の良し悪しが鍵を握るからです。

未経験者でも構いません。
経験者の場合、足を運ぶ前に業者を判断してしまうケースが多く見受けられる為、未経験者の方が素直に訪問を続ける傾向があります。

そして社交的な20代が望ましいです。業者との信頼関係が重要となるため、フットワークが軽く、社交的な20代が良いです。

2等立地分譲を仕入れても本当に売れるの?

 
<1等立地分譲と2等立地分譲の比較>

不動産会社が土地を仕入れる際の「1等立地」と「 2等立地」の比較

熊本県No.1ビルダーのシアーズホームグループもこの「2等立地分譲戦略」で大きく業績を伸ばしている会社の1つです。
シアーズホームグループは創業30年で年商100億円を達成し、そこから3年目となる2020年4月決算時点で200億円を達成する見通しです。
福岡県や佐賀県でも事業を展開し、九州NO.1ビルダーに向けた急成長を続けています。
注文住宅事業を展開するシアーズホームとジャストホームに加えて、建売分譲事業を手掛けるサンタ不動産とシアーズエステートで事業導入5年で年間151棟の販売を実現しています。

仕入れ戦略で業績を伸ばしているシアーズホームグループの施工件数の推移グラフ

「2等立地分譲戦略」を成功させ、建売分譲事業導入5年で151棟販売を実現したポイントは仕入れやすい2等立地を売れやすくする仕組みです。

  • ・2等立地でも売れる土地を見極めるための仕入基準
  • ・大手と差別化する建売商品戦略
  • ・建物完成前に80%を売り切る早期販売方法
  • ・若手営業で1人あたり平均10棟販売するための販売手法

により、2等立地でも販売しやすい仕組みを構築しています。

これからの分譲住宅は、高価格な1等立地よりも低価格で提供できる2等立地で展開することが現在の住宅市場の顧客ニーズに合ったビジネスモデルだと考えています。

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