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(解説)2023年5月移行、採用が更にむずかしくなります。
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いつもありがとうございます。船井総研の宮下です。
賃貸不動産ビジネスでの「マネジメント力アップ」を
専門とする経営コンサルタントです。
強い組織づくり、社長がいなくても回る組織づくりをお手伝いしています。
2023年3月末のインボイス登録法人数は
「約270万社」となっており、
総務省・経産省まとめでは日本の法人数は
「約180万社」となっています。
一方で、2000年の出生数は119万人、
昨年では80万人割れとなっています。
要するに
国内の企業が新卒採用しようというときに、
現時点でも1社あたり1名も行き渡らずに
約60万社は採用ができない状況なのに、
「20年後には2~3社に1名しか新人が入らない」という状況になります。
更に労働人口全体で見ても、
現在の7300万人が、20年後には5800万人を割ってしまい
1500万人も減ってしまいます。
20年後の法人数が150万社だとしたら、
日本全体の法人平均で「1社あたり10名が減少する」ということです。
かなり厳しい状況である
ということがお分かりいただけるかと思います。
やらなくてはいけない業務は沢山あるのに
社員がいなくて会社が回らないという状況は、
既に多くの会社で顕在化していますが、
今後ますますひどい上記になっていくということです。
自社ではいかがでしょうか?
求人広告をかけたら十分な応募があるでしょうか?
ほしい人材が採用できているでしょうか?
もし、思い通りの採用ができていなければ、
自社の「人材育成方針」「人材開発戦略」から
見直すべきときにきています。
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【今回お伝えしたいこと】
1.アフターコロナで更に厳しくなる採用
2.社員が育っている不動産会社が行なっていること
3.「組織づくりファースト」経営への転換
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1.アフターコロナで更に厳しくなる採用
そして2023年5月移行、
コロナショックがひと段落した日本では
ますます採用がしにくくなっていきます。
街に人が戻りだして、
小売業、サービス業、飲食業、観光業、イベント業など、
各業種で急激に人材数が求められるようになっています。
2023年3月の求人広告数は前年比17%アップとなっており、
コロナが5類に移行したこのゴールデンウイーク移行、
さらに増加していくことが予想されます。
しかも、「採用競争」のなかで
時給アップ・給与アップが加速していきます。
埼玉県の賃貸不動産会社さんでは、
事務スタッフのパート社員さんに時給1800円を出して
ようやく採用することができました。
私が学生の頃、約30年前には夜間バイトで時給1000円でしたから
もはや意味が分からないほどの高騰っぷりに衝撃を受けます。
それでも、アフターコロナで人の動きが活気づくなかで
ビジネスチャンスも広がり仕事・業務の数が増えていきますから
現在の社員数だけでは対応しきれなくなります。
なかなか採用できない状況が続くと
現在の社員さんが疲弊していきますから
「退職」が出てきてしまいます。
1人辞めれば、その仕事が他の社員さんにシワ寄せになり
2人目、3人目の退職が出てきてしまいます。
たとえ話をしているのではありません。
現在進行形で、全国各地で起こっている話です。
しかも好転する見込みがないのです。
仕事のやり方、分担の仕方、組織の作り方、収益のあげ方など、
人材の採用・育成について、商売の仕方について
いまここから大きく変えていかねば、
3年後ですら勝ち残っていけない「緊急事態」になっています。
2.社員が育っている不動産会社が行なっていること
「必要求人数>労働人口」の状況のなかで
給与を上げれば求人に応募がある訳でもなく、
高い年収を払えば、社員がずっといてくれるわけでもない時代。
そんななかで、
特に中小企業はどうすればよいのでしょうか??
どんな会社でも、ずっと順風満帆ってことはなく、
いま好調な会社でも厳しい時代はあります。
そういった状況を乗り切って「成功」している会社は、
どのような採用・育成をしているのでしょうか?
5年ほど前、不動産会社S社さんでは、管理戸数増加に比例して
増えた日常業務に対応できる営業スタッフの育成が追いつかず、
必要な採用も間に合わなかったため
「全員残業」が続く毎日がありました。
営業スタッフも事務スタッフも疲弊して社内の雰囲気が悪くなり
なんとか採用できた中途社員の育成にも手が取られて逆に負担が増し、
いまにも「全員辞めそう」な空気が蔓延していきました。
管理業務のあらゆる対応を営業社員が行なう
という体制で20数年やってきたS社さんは
「個別対応力=強み」と考えてきましたが、
営業社員が育つのを待っていたら組織崩壊する寸前でしたので
人材育成・人材採用の方針を大きく変えました。
・分業化
・外注化
・システム化
を進めることで社内業務を3~5割削減させることができ、
営業スタッフの皆さんが管理物件オーナーの訪問に時間を使うことができるようになり、
事務スタッフの皆さんはチームワークで仕事を進めることができるようになり、
社員の採用・育成がうまく回りだして再び「成長軌道」に乗ることができました。
不動産会社N社さんでは、地域一番を目指す経営計画のなかで
新卒採用を行なってきましたが、採用した新卒社員の8割が
数年内に退職してしまうという状況が少し前まで、続いていました。
「育てても育てても新人が辞めてしまう」という状況が数年も続くと
中堅社員、現場リーダーが疲弊していき、業務がマンネリ化。
思ったような出店や組織の拡大ができていませんでした。
こういった状況を打開するために、N社トップは経営方針を転換。
集客数、契約数、売上額を重視する考え方から
「人材育成」を重視する方針に変え、
人事評価制度や社内研修プログラムの見直しから
社屋の改装、組織づくりのやり方など様々な変更を行ない、
いまでは採用した新卒社員の8割が定着して
現場リーダー、ミドルマネジメント等として活躍するようになり
100名を超える規模に成長することができました。
なぜ両社は、どの会社でも経験するような
「うまくいかない採用」を乗り越えて
成長することができたのでしょうか?
その成功のポイントに目を向けることで、
いま・これからの「採用」での勝ち方が見えてきます。
3.「組織づくりファースト」経営への転換
両社に共通することは、
仕事の仕方、役割分担、社員育成の考え方など、
組織づくり・社員育成から見直したこと。
単に「目の前の採用」で何人採れるか?を考えて
いくつもの求人媒体に広告出稿したり、
求人媒体会社の営業担当者とプランを検討したりする
といったサイクルから抜け出したことにあります。
経営をうまく行なうためには戦略が必要ですが、
その戦略は「事業戦略:何をするか」と
「組織戦略:どう行なうか」の2つの要素から
考えることが必要であることを知り、
特に「組織戦略」から見直しすることが重要です。
インターネット時代では、
「何をするか」といった情報はスグに世間に広まるので
その部分で他社と差別化し続けることは難しくなっています。
要するに「事業戦略:何をするか」に時間・お金をかけても
スグに他社に真似されてしまうので費用対効果が見合わない
ようになっているということです。
一方の「組織戦略」は
自社の歴史、強み、社内状況、競合状況をベースとして
社員育成・組織づくりに時間・お金をかけるので、
投資した分が社内に蓄積され、他社からも真似されにくい
という利点があります。
必要な労働人口よりも法人数が多い時代にあって、
「集団就職」「総合職採用」「一般職採用」といった慣習は
過去のものになっています。
採用したら、あとは個人まかせ・部門長まかせという
社員育成の慣習も過去のものになっています。
これからの時代の流れに淘汰されずに
成長軌道に乗るためのキーワードは「組織づくりファースト」です。
そして、組織づくり=組織戦略は社長にしかできない仕事であり、
社長の「経営力」「判断力」が成果・成長に直結する時代になっています。
ここ数年、採用がうまくいっていない。
社員が定着せず、リーダーが育たない。
ずっと同じ顔ぶれで仕事している。
売上が横ばい状態である。
管理戸数が横ばい状態である。
こんな状態が続いていたら、
それは「組織戦略」がズレているサインです。
ぜひ「社長の仕事」から見直しすることをおすすめします。
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宮下 一哉
1973年生まれ、神奈川県出身。 2002年に船井総研入社し、賃貸管理会社向けの コンサルティングに20年超従事している。 「マーケティング×マネジメント」視点での 総合的な差別化戦略構築により 「100億×100年企業づくり」をサポートし、 大手・中堅企業から全国各地の地域一番店の コンサルティングを担当。 「ビジョン経営」「DX」の推進などによる 社内一体化や高収益体質化を進めていく手法が 好評を得ている。