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【成功事例】住宅・不動産DXで安定した経営体制AXSデザイン

安定成長する住宅不動産会社は最先端ITを駆使

企業が成長を加速するためには、属人化した業務フローを最適化し、情報共有を徹底させPDCAサイクルを高速回転させることが必要不可欠となる。住宅不動産業界でも属人性を排除し、最先端のIT技術を駆使して、直近10年で売上が8倍に成長した企業がある。石川県のさくらホームグループだ。

住宅不動産業界では、「土地仕入」「家の建築」「家の販売」という3つの業態が分類され、それぞれの領域で専門企業が活動している。しかし、さくらホームグループは自ら土地を仕入れ、そこに自社設計の家を建て、住宅購入者に販売するという一連の流れをすべて自社グループ内で行うモデルで安定成長をしている。

このモデルで一番重要なのは、土地の仕入れから企画して建物を建て、販売するまでのスピードである。このサイクルを極限まで短くし、需要に最適化した住宅を開発・販売するのがさくらホームグループの競争力となっている。
たとえば、条件の良い土地を見つけて、すぐに仕入れたいと思っても、会社決済のスピードが遅ければ他社に奪われてしまう。また、住宅を建築する際には、各現場の管理や段取りが遅れて完成期限に間に合わない物件が出てくるなど課題が多い。その理由の多くが、社内稟議は紙ベースで行われており、意思決定スピードが遅く、情報の社内共有も十分でないからだ。

そこでさくらホームグループでは業務のIT化を構想し、基幹システムを刷新した。物件在庫管理から建築工程の管理、販売に至るまで地域別に様々な情報を管理する情報プラットフォームを自社開発したクラウドシステム「Buildy note」とサイボウズ社のクラウドシステムで管理している。

また、さくらホームグループでは情報をクラウド共有するだけでなく、仕入・設計建築・販売までの業務フローと業務ルールを明確にし、誰でも分かりやすく仕組み化した。さらに、生産性を高めるために、業務分担を行い、現場監督の社内業務を徹底して排除することで現場品質の改善につなげている。その他にも、決めたタスクを取りこぼしなく実施してもらうためにRPAシステムを導入することで、上司が進捗チェックしなくても、業務期限遅れを格段に減らすことに成功した。昨年度は年間343棟を工事部11名で完工しながらも、月間平均残業時間は9時間のみと高い生産性を実現している。しかも平均年齢は28歳というから驚きだ。

働き手が減少傾向にあり、限られた人材と時間で収益を高めるためにも、職場でのIT化が今求められている。最先端のIT活用で、あらゆるデータを統合させ、部門や役職を問わずに社内や取引に関連する各事業者が必要な情報にアクセスできスピーディな意思決定とアクションにつなげる事を可能にする。組織横断的に活用すれば、組織全体の効率性と生産性を向上させ、事業サイクルを短縮し、ビジネスを加速させる。

(株)船井総合研究所
住宅・不動産支援本部
グループマネージャ 砂川正樹

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