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【設計・施工現場の生産性がUPする業務標準化・分業化・システム化】

 

 現場の生産性向上や業務の効率化を進めたくても、何から手を付ければいいか分からないという企業は多い。ただ闇雲にポイントを押さえずに進めた結果、現場を混乱させて非効率になったというケースも散見する。今回は建築・不動産業界の現場で、生産性UPや業務効率化を実践する際のポイントについて解説。あわせて、具体的な事例やツールについてもご紹介するので参考にしてほしい。

 そもそも「生産性UP」とは、成果につながる業務に集中して業務をしてもらうことで生産性が上がっていく事。一人当たりの社員でどれだけ利益が高められたかが指標になる。一方「業務効率化」とは、業務時間を短縮し、低コストで処理する事を指し、いかに時間をかけずに成果を出すかが求められている。KPI(重要経営指標)や数値目標を設定して月次、年次でどれくらい効率化が図れたのかを数値管理している。

 この意味からも、業務効率化を実現して時間を生み出し、生産性の高い業務に集中させて生産性UPをしていくことが求められている昨今、人材採用や育成に大きな課題がある企業が多い中、限られた業務時間の中で高い生産性を維持していくことが一層増している。

 そこで、そこでお勧めなのが、「業務標準化」「分業化」「システム化」の3つのポイントである。

①業務の進め方やルールが統一されていないので、「業務の棚卸」をして「業務の標準化」をする
②一人の人間に多くの業務を任せていたので、「分業化」で業務範囲を狭めて即プロ化
 プロで無くても出来る業務をサポートスタッフに専任化させる
③業務タスクを明確にし、全員で共有できるネットワークを構築する「システム化」

 

■「業務標準化」

 設計業務や工務業務を棚卸することで、それ自体がマニュアルになり、現実を幹部が日々見直すことで業務効率が上がる。この棚卸業務の際のポイントは、「着工前の見える化」にある。多くの会社が、着工から引き渡しまでの工事業務を棚卸して標準化する傾向にある。しかし、実は工程が予定通り実施されない最大のボトルネックが、「着工前の事前準備」にある。この事前準備が徹底できていないことで、着工後に現場がバタつくことで業務が非効率になるからだ。

 事例企業においては、この着工前の工程が65項目あり、それが全て実施済みで無いと着工には進ませないというワークフローを整備している。このルール統一が重要となっている。

また、業務の棚卸の際には各顧客の契約までの業務フローも見える化することで業務の取りこぼしを無くしている。時間が要する業務だが、営業・設計・IC・工務・総務などの社内のプレイヤーとの相関関係をフローに落とすことで業務効率化の道が見つかる。

この業務フローがかなり属人化しているのが多い。店舗間でバラバラというケースがほとんど。早期育成や業務改善をするにはこの業務棚卸と業務標準化が必要不可欠なので、第三者の目を加えながら明確にして欲しい。

■「分業化」

 現場監督や設計の業務は多岐にわたるが、業務が明確になっていることが少ないだけでなく、一人に業務負担が重なるケースが多い。そこで、現場監督の担当者でなくても、実施できる業務や効率的に回せる業務は分業することで効率化が出来る。

 具体的には、工程管理や変更対応などは各現場監督を管理する工事管理者が対応する。現場の遅れが生じることの責任者は現場担当ではなく管理している工事管理者。であるならば、それをコントロールするのも工事管理者であるのが最適である。

 また、業者や外部との連絡などのやり取りは工事事務に担ってもらう。現場以外のことは、工事管理者と工事事務でカバーして、工事現場の品質向上・安全管理の徹底に集中してもらうことで早期育成が可能となる。

 

■「システム化」

 設計・施工業務における資料が今だに紙媒体で管理している企業が非常に多い。最近でこそ少しずつシステム化でデジタル管理している企業も増えているが、全ての工程業務をデジタル管理している企業は少ない。

 また、工程管理や関連資料をシステム化することでデジタル対応は出来ているが、本質は生産性UPと業務効率化である。したがって、工期遅れや二度手間、残業対応の増加があるとシステム化の成功とは言えない。事例企業においては、タスク遅れのリマインド機能だけでなく、各現場監督が抱える現場の引き渡しまでのタスクがカレンダー管理されている。

 カレンダー管理のメリットとしては、各担当者が抱える現場案件の状況が週単位・月単位で把握できること。過去ではなく未来のタスクが管理できるのがメリットになる。また、業務が抱えすぎの場合でも可視化出来ているので、業務分担や業務整理を上長が気付きやすくなる。現場担当だけでなく管理者であるマネジメントツールとしても効果が出やすいのがカレンダー管理である。

このように、3つを実践している企業は人材も育ち、現場の生産性も上がることで品質も上がり、結果として企業として競争力が上がることで業績も伸びているのだ。なので一番大切なのは既存業務を棚卸をして、どうカイゼンしていくか日々の業務改善が肝要となる。

 目の前の業務に追われてこのような改善活動が出来ずに負のスパイラルに陥っている会社が非常に多い。しかし、業務の棚卸と標準化を実現し、デジタル管理が出来ればその管理を自動で行う事も可能だ。人間がしなくても良い業務をどんどんデジタルに任せていくことで、人間にしか出来ない業務に集中して業績を拡大させることが出来る。

 

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