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【不動産事業者向け】2等立地を売れやすくする仕組みとは
こんにちは。
不動産支援部の本倉裕大(モトクラユウダイ)です。
いつもコラムにお目通しをいただきありがとうございます。
今回はこれからの建売分譲戦略のモデル事例をご紹介いたします。
そのモデル事例とは「2等立地建売分譲戦略」です。
一般的に分譲住宅は市街地中心部の1等立地でなければ販売が難しいと考えられるケースが多いです。
確かに分譲住宅の購入者は立地条件を重要視するため、中心部や駅近の立地は望ましいです。
しかし、1等立地の人気物件となると土地の仕入値が高くなることや、
その物件を購入できる高収入層のお客様に合わせた建物仕様となるため販売総額が上がり、
結果として長期在庫になるリスクがあります。
また、毎回異なる建物仕様を計画するとなると着工までに時間がかかり資金が長く眠ることになります。
分譲事業の失敗例として、1等立地を狙いすぎて他社と競合して土地の仕入れが計画的に行えないことや、
販売総額が高くなることにより長期在庫になるということがあります。
地域密着の住宅不動産会社としては、
分譲事業で業績を伸ばすために安定的な土地の仕入れと在庫リスクの最小化は必須になります。
そこで今回ご紹介するのが「2等立地建売分譲戦略」です。
2等立地分譲戦略のメリットは大きく3つあります。
1つ目は、土地を安く仕入れられることです。
当然ですが2等立地は1等立地に比べて地価が落ちるため、土地の仕入れ値が安くなります。
分譲住宅の購入者は立地条件を重要視していますが、
それ以上に重要視しているのが「価格」です。仕入れ値を安く抑え、
規格化した住宅を建てることにより販売総額を抑え、市場ニーズに合った住宅を供給することができます。
2つ目は、計画的に土地の仕入れが行えることです。
人気の1等立地は競合も仕入れを積極的に行っているため、
土地情報の収集が難しく計画的に土地の仕入れが進まないことがあります。
一方、2等立地では競合も少ないため安定した土地の仕入れが可能となります。
また、競合が少ないことにより供給過多にならず、販売面での集客もしやすくなります。
3つ目は、投入金額が少ないことです。
基本的には1現場あたり1区画~4区画の小規模分譲が主要となり、
1区画あたりの価格も1等立地と比べて安いため、仕入れのための投入金額が少なくて済みます。
販売面においても小区画現場の場合、長期在庫になりづらく早期に完売させることが可能です。
また、小区画のため地価が下落したとしても経営を左右するようなリスクは出づらいです。
つまり、2等立地分譲では安定的な土地の仕入れと在庫リスクの最小化が実現しやすいです。
<1等立地分譲と2等立地分譲の比較>
熊本県No.1ビルダーのシアーズホームグループも
この「2等立地分譲戦略」で大きく業績を伸ばしている会社の1つです。
シアーズホームグループは創業30年で年商100億円を達成し、
そこから3年目となる2020年4月決算時点で200億円を達成する見通しです。
福岡県や佐賀県でも事業を展開し、九州NO.1ビルダーに向けた急成長を続けています。
注文住宅事業を展開するシアーズホームとジャストホームに加えて、
建売分譲事業を手掛けるサンタ不動産とシアーズエステートで事業導入5年で年間151棟の販売を実現しています。
建売分譲事業導入5年で151棟販売を実現したポイントは「仕入れやすい2等立地を売れやすくする仕組み」です。
「2等立地でも売れる土地を見極めるための仕入基準」
「大手と差別化する建売商品戦略」
「建物完成前に80%を売り切る早期販売方法」
「若手営業で1人あたり平均10棟販売するための販売手法」
により2等立地でも販売しやすい仕組みを構築しています。
これからの分譲住宅は高価格で1等立地よりも低価格で提供できる2等立地で展開することが
現在の住宅市場の顧客ニーズに合ったビジネスモデルだと考えています。