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【専門家が解説】サブリース業者の規制強化

 
サブリース業者の規制強化案が国会提出へ

おはようございます。
船井総合研究所の川崎です。

先月末にニュースなりました、国土交通省が「サブリース業者への規制強化」の方針を固め、通常国会への法案提出をする。

★事業者登録の義務化
★誇大広告の禁止
★不当な勧誘の禁止
の規制を強化し、トラブルを未然に防ぐための新法案となるようです。

いわゆるスルガショック、かぼちゃの馬車問題により、「サブリース」という言葉が以前にも増して一般化したのではないかと思います。

このサブリースについて、法案提出のこのタイミングで再度、問題や実態を考えたいと思います。

サブリースについて

サブリースには仕組み理解した上でメリットもデメリットが存在します。

サブリース業者側は保証賃料を査定する際、築年・平米数・立地・周辺相場などから入居者側の賃料を決定し、それらの賃料の10%ほど安い金額を保証するのが一般的で、シェアハウスなどの物件は退去率が高いので30%ほど安い金額に設定されています。
(入居側の賃料が5万の場合、オーナーの手元に入る額は5万-5万×30%=3.5万)

サブリース業者側は空室を埋めれば埋めるほど収益が増え、オーナー側は何もしなくても一定額を保証してもらえるという、一見どちらにもメリットがあるように見えますが、サブリース業者は「家賃の減額請求権」を持っているため、保証する額を年々減らすことができ、非常にリスクがあります。

そもそも、サブリースが問題になっている点として「事前に聞いていなかった、知らなかった」があります。

不動産会社が行う仲介(媒介する)の場合には重要事項の説明が義務ですが、サブリース業者が自ら貸主になる場合には、説明が不要になります。

家賃保証額が減額されることを知らなかったオーナーが、金融機関への融資返済が困難になり、トラブルに発展しています。

上グラフは、5年毎に借上げ率を5%ずつ下落した場合のシミュレーションです。
※家賃保証の期間や下落率は、サブリース業者により異なります。

支出は主に融資返済で一定ですが、借上げ率の下落により15年目~20年目で収入と支出が逆転しています。

昨年12月に国土交通省から公表された賃貸住宅管理業務に関する調査結果で、
サブリース業者とのトラブルとしては「サブリース物件の収入や費用、契約内容の変更条件などが家主に十分に説明がなかった」(約23%)という回答も多くなってる。

不動産の玄人である企業と素人であるオーナーとの知識量には差があり、これらトラブルを未然に防ぐための新法案での規制強化に繋がっています。

まとめ

悪い面ばかりがピックアップされがちですが上手く活かせば、管理の手間や入居者とのトラブルを省くことができ、安定した収入を得ることができる良い面もあります。

これから法案が提出され、規制強化の内容も
詳細になってくるかと思いますので、
サブリース業者もオーナー側にも正しい知識で
土地活用や投資の提案・決断を行っていただきたいと思います。

船井総研 川崎
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