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2年で20億を受注!「中小建設会社が使いやすい」投資ファンドの実態
不動産投資として土地や建物を保有し、数年運用した後、投資家へ売却しキャピタルゲインを得ることを生業とする投資ファンド会社があります。多くの建設会社様にとってはあまり馴染みがないどころか、ドラマの“ハゲタカファンド“のネガティブなイメージを持たれる方も少なくないかもしれません。
しかし食わず嫌いは禁物…。実際にたった2年で20億の受注を成し遂げた建設会社もあります。ですのでせめて、要点だけでも読者の皆様へお知らせするべきだと思いました。特に「中小建設会社が使いやすい投資ファンド」という点は強調しておきたいところです。
まず基本的なところからですが、不動産系の投資ファンドは2つに大別されます。
①土地+建物保有型ファンド
不動産投資ファンドの王道です。文字通り、土地と建物をファンドが保有(建築請負契約)する代わりに、様々なテナント会社から賃料収入を得るスキームです。長期保有よりも売却による売却益を狙うケースが多いです。
対象となる建築物や立地要件は様々なですが、とあるファンドの場合、利回りは8%が確保できる福祉施設に特化しており、土地も坪単価が20万円を切るエリアを目安にしています。
②建物保有型ファンド
建物は保有しますが、土地は保有せず借地するファンドもあります。テナント会社から賃料収入を得る点は①と同じですが、基本的に売却はせず長期保有が目的となります。とあるファンドの借地料の目安は坪1,000円前後で、借地料を差し引いた利回りは7%前後です。実はファンドも福祉施設に力を入れています。
このように、近年の投資ファンドは福祉施設に注目しています。特に、利回りを出しやすい木造の福祉施設です。福祉施設は元々、郊外でも長期の需要が見込め、かつ家賃下落リスクも少ない点が魅力です。さらに昨今の資材高騰で、これまで注力してきた鉄骨やRCのレジデンス系(分譲マンション等)や商業店舗開発の利回りが急減したことを受け、ますます木造建築物への投資枠を拡大する流れとなっています。
1案件あたりの投資規模も3~5億と取り組みやすく、建築会社の与信ハードルも高くないため(通常は帝国データバンクの評点が60点以上など)、中小規模の建設会社にとっては組みやすいと言えます。このようなファンドはこれからも参入が増えることが予想されますので、注目していきたいですね。