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2020 年08 月26 日(水)

分譲住宅ビジネス研究会2020年8月度例会

2020 年08 月26 日(水)

開催日 :2020 年08 月26 日(水)
開催場所:オンライン開催

2020 年08 月26 日(水)に「分譲ビジネス研究会2020 年08 月度例会」が開催されました。
08 月度例会は新型コロナウイルス感染拡大防止のためZoom を使用したオンライン開催となり
ご参加頂いた皆様には大変お手数をお掛けしましたが、当日は大いに盛り上がり見せた会
となりました。
ご参加頂いた皆様、誠にありがとうございました。




今回の例会は
◆第一講座(アサヒグローバル株式会社 近藤博文様)
◆第二講座(中尾建設工業株式会社 正木勇志様)
      (株式会社トータルホーム 高橋茂樹様)
◆情報交換会
◆分譲住宅ビジネス研究会中間発表 表彰式
の4部構成で開催されました。
今回はその内容をレポートとしてお伝え致します。

【第1講座】

第1 講座は「三重県No.1ビルダーの成長戦略」と題しまして、
アサヒグローバル株式会社 執行役員 住宅営業部長 近藤博文様よりお話させて頂きました。
アサヒグローバル株式会社様は、社員数223名(パート含む)、販売棟数、注文住宅380棟、分譲住宅47棟を販売している会社様です。
以下が第一講座における内容となっております。

◆コロナ戦略に関して

新型コロナウイルスの影響で様々な業界でダメージを受けている中、アサヒグローバル株式会社様は、建売の比率を増加する事に成功し、注文住宅販売も昨年対比約110%と伸ばしながら建売・売建を227%と大きく伸ばしました。多くの業界で業績が低迷する中、コロナ禍において、アサヒグローバル株式会社様が取り組んだ取り組みは以下の4つとなります。
①スーモへの投資
・2020年1月度からスーモを外注で運用を行う事で、業務の効率化アップの実現。
・1物件毎にKPIを追い、反響獲得の為の施策を実施。
・掲載枠数を15枚から25枚へ増加。
・リクルート様に定例会を開いて頂き、情報共有をおこない、施策の打ち出し。
▶上記の施策を打ち出す事で、詳細PV数が約6,000~8,000→約12,000~15,000に増加。
 また、1物件当たりの来場予約が平均1件→平均6件~8件に増加。

②VRの活用

・在宅ムードにより、3Dで全物件の掲載を行う事で、来店されたお客様の温度感を予め高める  事が出来、成約率アップ。
・3Dの撮影機材を自社で購入し、撮影を外注することでトータスコストを抑え高品質なVR映像を制作。
③TVCMでのコロナ対策PR
・お客様に対し、安心感の訴求をおこなう事で集客数の担保の実現。
  自粛ムードがあった為、TVCMに販促を投資すると共にYouTube広告にも販促をおこなう事   により、集客数を増加。
以上が新型コロナウイルス禍における施策でした。
このような先の見えない不透明な時期においても投資を継続し行う事。
ピンチをチャンスと捉えた事が結果に繋がったのではないかと考えられます。

◆マネジメント戦略
アサヒグローバル株式会様は、従業員数223名という人員で運営を行っております。
大型店舗での成果を出す為の仕組み・マネジメントする際に心掛けている事をご説明してくださいました。

成果を出す為の仕組み

①プロセス数字(KPI)の設定
アサヒグローバル様では、成果を出すための施策として、細部までKPIの設定を行っています。
KPIを設定する理由として、以下の利点が挙げられます。
▶具体的な行動量の管理が可能となり、進捗の確認・ルールの決定。
▶一人あたりにデータへ落とし込むことによって、改善点反省点などの見えるかを行う事が
 出来、対策を建てる事が可能。
このようにKPIを設けることによって、営業の評価を契約数だけでなく、行動量とスキルが重要視されるようになり、結果として業績アップに繋がると考えられます。
②マニュアルやツールの整備
トップ営業マンを参考にした自社の販売の型をマニュアル化し、営業フローを確立。徹底的にマニュアルやツールを使用する事によって、営業毎の接客品質を担保する事が出来、業務効率化にも繋がります。また、建売住宅・注文住宅で営業マニュアルを分ける事によって、どの様なお客様にも対応が可能になります。
③メンバーの案件管理
メンバー管理表をもとに、接客時の各ポイントを設ける事でお客様のボトルネックの解消をおこない、実際にメンバーが実施しているかどうかの確認。また、実施していなければ、次のアポへ進めない仕組みづくりを行う事で徹底的に案件管理をおこなっております。
また、アサヒグローバル様では、案件会議を設けており、営業マン一人ずつに発表する場を設け、自立性を持たせることを行っています。

組織をマネジメントする際に気を付けている事

①社員と常時接続が出来る環境を整えている。
▶上司と話しやすい環境を作る事で、お客様からの要望を即時対応する事が可能となる。
②同席メンバーとの打ち合わせの徹底を行う事で、なぜ売れたのかの要因把握を行い、成功事例を作り上げ、共有する事の実現。

決めたことをやり切らせるためにやっている事

①ポジションを明確にした商品づくり
▶売るのではなく、売れる商品作りをすることによって、売る側にも明確な商品づくりを行っています。
②やる気にさせる評価制度
▶契約数で評価するのではなく、KPIの行動数や育成スキルなどがポイントとして高く評価される精度にする事によって、行動量や育成する文化が根付き、店長やマネージャーが育つ環境にしています。部下の成長ポイントに重点を置いている事によって、会社全体でのスキルアップ向上を図っています。

分譲のブランド戦略

分譲事業を行うにあたり、自社で商品・土地仕入れについて明確にルールを設けています。
以下が、商品戦略・ターゲット戦略・土地仕入れとなります。
商品戦略
こちらで取り扱っている分譲住宅商品は、注文住宅における売れ筋商品を採用し、商品の特徴として、ローコスト系大手パワービルダーと設備グレードと性能で差別化を図り、総額3,000万円以下に価格設定を行う事で他社様と差別化を行っています。
ポジショニングの明確化
競合他社を分析、自社のポジショニングを明確にする事で、ターゲットの確立を行いました。そして、「予算はあるがこだわりはなく、早く建てたい、安いのでは嫌だ」というお客様に焦点を合わせる事によって、明確な自社ブランドの確立を行う事を実現。
土地仕入れ
土地仕入れも以下の条件で行う事によって、ルール化しています。
以下の3点が、土地仕入れにおける条件となります。
①土地の利益に重点を置かず、すぐに建築・販売が出来る土地を優先的に仕入れをおこない、 競合の少ないエリアに絞り込みを行っている事。
②総額3,000万円以内で売れそうな土地にする。
③水害がかかる土地は買わない。
▶またアサヒグローバル様では、不動産会社に対して、良好的な関係性を築くために、不動産会社からの連絡が来た際は、返信速度を上げるなどの事をやっております。
以上の事をアサヒグローバル株式会社様からお伝えさせて頂きました。
また、会社として大切にしている事として、
▶三重県1位ではなく、日本一の住宅づくりに挑戦
▶販売棟数日本一位ではなく、日本一の住宅を作って販売する
を挙げられていました。
このような思いが浸透しており、細部まで業務をルール化し、会社全体で売れる仕組みづくりを行う事が重要だと思われます。

【第2講座】

第2講座は「分譲住宅年間100棟ビルダーの営業・マネジメント戦略」と題しまして、
中尾建設工業株式会社 営業部統括部長 マーケティング部 部長 正木勇志様よりお話させて頂きました。
中尾建設工業株式会社様は、愛知県の会社様です。
約3年前まで、営業の面談契約率が14%程度。競合が増え、営業が契約を決めづらくなる中、
営業をサポートする体制づくりをおこない、営業未経験者でも営業が出来る仕組み作り・マネジメント方法についてお話頂きました。

◆マネジメント戦略
営業末経験者でも売れる仕組みづくりを整える為、「狩人専念体制」を採用し、面談契約獲得の強化を図りました。
以下が、契約獲得に向けての3つの具体的な管理方法となります。

▶土曜日・日曜日の折衝後、営業全員で今後に向けた改善点を話す。
▶事前にアンケートレビューを作成・確認をし、戦略通りに進んでいるのかの見えるかを行っている。
▶クロージングのタイミングや、値引き交渉などの相談をインカムを付けている事により、即時対応可能にした。
以上の営業方法を取り、全面的にサポートする仕組みづくりを整える事で、営業未経験者でも売れる仕組みづくりをおこないました。
また、営業力強化をするにあたり、具体性を持つため、管理項目を設けています。
以下の6つが管理項目となります。
①新入社員を重点的に、週間活動計画書によるKPIとPDCAの管理。
②週3会によるロープレを実施、振り返りシート&音声データを保存し、BOXでリーダーが管理。
③案件レビューを作成し、追客を徹底的に強化。
④物件メリット&デメリットシートによる建案強化。
⑤現場整備。
⑥社内テストを実施し、社内育成の強化。
週間活動書は若手が週に2回確認、ロープレ内容は、振り返りシートを記入し、日々の練習内容の確認等を行うなど営業育成を徹底的に行っています。

上記のように、細部にわたる徹底したマネジメント戦略が営業未経験者でも分譲住宅年間100棟を売る営業に育てる秘訣でした。
第2講座は「7万人商圏で新規店舗立上げ初年度27棟達成!建売×請負取得の集客~営業スキームを徹底解説」と題しまして、株式会社トータルホーム 代表取締役 高橋茂樹様よりお話させて頂きました。

株式会社トータルホーム様では、2019年に総社市にて分譲事業を始めました。
当初、本社は、岡山市にありましたが、土地と建物の値段が合わず、土地仕入れが出来ない状況でした。そのような状況下、総社市に目を向け、商圏調査を行い、マーケットの絞り込み、競合他社との差別化の実現をする事に成功しました。
以下、集客・商品・戦略の具体的な戦略になります。
◆商品戦略
パワービルダーと地場ビルダーの商品が4LDKであった為、自社商品を5LDKにする事に
よって、競合他社と差別化を図り、他社商品の包み込みを行った。
◆集客戦略
「ポスティングチラシ」・「SNS広告」・「リスティング広告」・「ポータルサイト」などメディアミックスでの情報発信を行っています。
また、ポータルサイトの掲載方法における、品質管理を行う事で、反響数を伸ばしています。
◆採用戦略

トータルホーム様の営業マンは未経験者のみでおこなっており、営業スキルの他に、コミュニケーション能力を重視しております。また、新卒採用ではなく、中途採用にこだわり人財採用を行っています。
具体的な採用フローは以下の4点になります。
①人材会社に、プレゼンテーション形式で理念の共有。
②理念共感者のみ人財の面接へ。
③幹部社員が面接、SPI試験・基礎テストを実施。
④最終社長面接・面談。
スキルだけでなく、理念に共感してくれる人財、マインドの高い人財採用にこだわっており、
採用試験におきましては、リクルート様が運営しているSPI試験を導入している為、優秀な人財採用を行える体制を整えています。
以上が7万人商圏という小規模商圏においても販売実績27棟を立てる仕組みづくりの秘訣でした。

【情報交換会】

分譲研究会は、オンラインにて情報交換会を開催致しました。

また、前回とは異なり、今回はグループ毎にテーマを設け、進行させて頂きました。
以下が今回、情報交換会でのテーマになります。
①現状の市況・今後の市場予測・今後の成長戦略
②組織マネジメント・育成について
①現状の市況・今後の市場予測・今後の成長戦略
▶全国的な新型コロナウイルスの影響としましては、集客数は4~6月と比較した際よりも7月は 微増。自粛生活の影響で、今の住まいより良い所を求めるお客様が全国的に増加している傾 向にある。
▶会社様の成長戦略では、このような市場の動向を予測する事が難しい中、新規店舗出店や
 デジタル戦略強化など、生産性を重視。
②組織マネジメント・育成について
▶週に1回~2回、会議を設けている。
▶営業マニュアルの作成をする事によって、早急な営業育成を行う。
▶営業メンバーでチームを作り、リーダーに若手の育成管理を任せている。
以上の事を会員様同士、お話されました。参加された会社様からは、他の会社様が行っている取り組みの採用を検討するなど前向きな言葉が多く、活発的な質問が飛び交い、非常に盛り上がりを見せた情報交換会となりました。

【中間発表 表彰式】

中間発表 表彰式は船井総合研究所 不動産支援部 シニアコンサルタント 荒川修平より発表させて頂きました。

受賞された皆様、心よりお祝い申し上げます。

次回例会は、2020 年10 月29 日(木)船井総合研究所東京本社またはWEB セミナーで開催致
します。
既存の会員様はもちろん、皆様のご参加を一同、心よりお待ち申し上げます。
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