「2020年賃貸管理業の時流予測と取り組むべき事業戦略」


カテゴリ:
業績アップ全体

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

【新年特別号】「ツキを呼ぶ 船井幸雄の教え」
船井流 経営者論メールセミナー Vol.53
今回のことば
「2020年賃貸管理業の時流予測と取り組むべき事業戦略」

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

船井総研 賃貸管理ビジネスコンサルティングチームがお届けす
る経営者・経営幹部向けメ-ルマガジン
【ツキを呼ぶ 船井幸雄の教え】です。
※船井流経営法の原理原則に関する情報をお届けしております。

賃貸支援部 松井哲也です。

■ 2020年の時流予測と取り組むべき事業戦略

船井幸雄の言う、「企業経営とは、時流適応と原理原則に
従って行うものである」に合わせて、今回は業界時流を大きく取
り上げていきます。

まずは、賃貸管理業界に関わる市場変化についてポイントを、
解説いたします。
今年の事業戦略を考えるための材料にして頂ければ幸いです。

【賃貸管理業界市場変化 8つのポイント】
(1)空室率増加傾向(国土交通省)
人口・世帯数減少傾向、賃貸住宅の供給過多の中民営借家数は
約70万件増加しています。最新2018年度末民営借家入居率は、全
国平均で82%と、賃貸住宅の供給過多を加味すると、将来的には
さらに入居率減少が予測されます。

(2)管理委託率増加(国土交通省)
「民間賃貸住宅に関する市場環境実態調査」によると、賃貸オー
ナーが、賃貸管理会社、サブリース会社へ管理を委託している割
合は65.2%まで上がっています。空室問題、賃貸経営の問題解決
のため、管理を委託する率は年々上がっていると予測できます。

(3)相続課税発生割合上昇(財務省)
相続税の課税発生件数、負担割合ともに増加傾向にあります。
今後も賃貸オーナーの相続対策は、必要不可欠になっていくと
予測できます。

(4)民法改正による賃貸経営への影響(法務省)
120年ぶりの民法改正200項目の中には、賃貸オーナーが能動的
に動いていかないと、損害を被る可能性のある内容も含まれてい
るため、十分な理解が必要になります。(敷金明文化、連帯保証
人限度額設定必須、原状回復負担割合の明文化、一部滅失時の賃
料取扱いの見直し、賃借人の修繕権の発生等)

(5)重要事項説明の電子書面交付による社会実験(国土交通省)
賃貸借契約における重要事項説明に関して、書面交付による実
施が、2019年10月より電子書面交付の可能性をはかる社会実験が
はじまり、今後賃貸における、あらゆる契約関係で電子化の可能
性が上がってきています。

(6)貸家向け新規貸し出し金額減少(日本銀行統計)
2016年をピークに、2018年まで貸出金は減ってきています。全
国的に不動産貸家向けの新規貸し出し基準が厳しくなってきてい
る事がわかります。

(7)訪日外国人旅行者、在留外国人推移(観光庁、法務省)
訪日外国人旅行者は2018年末3,191万人を超え、10年で約4.5倍
増加しています。さらに平成30年末の在留外国人数は273万1,093
人で29年対比6.6%増加と(人口の2%)なっています。
共に過去最高に達してきています。

(8)民営借家に住む高齢者(厚生労働省)
高齢者の住宅所有関係の推移では、民営借家に住む高齢者は、
29%まで上がってきています。高齢者需要増加に伴い、高齢者
向け住宅の需要過多が予測されます。

いかがでしょうか?このような状況下の中で、今一度自社の戦略
を考える機会にして頂ければ幸いです。

そして、さらに2020年賃貸管理会社が取り組むべき事業戦略につ
いて、ご紹介いたします。

【2020年賃貸管理会社が取り組むべき事業戦略】
1.賃貸管理戸数の圧倒的シェア1番化
既存エリアでシェアを伸ばすか、新商圏へ展開するか、いずれ
にせよ賃貸管理会社のメイン商品は、賃貸管理です。賃貸管理戸
数がメインの業態を伸ばす基本的な考え方です。改めて管理戸数
拡大計画を実践して頂きたいと思います。

管理戸数を伸ばすためには、高入居率への取り組み(通常月95%
への挑戦)、家賃UP・家賃維持の為の取り組み、物件資産価値・
オーナー利益(CF)の維持向上、空室物件の別活用・貸し方
チェンジ提案、管理受託を進める専任体制・ネットワークづくり
(受託専任、集客専任)、能動的な攻めも必要だが、オーナーに
“選ばれるための品質を築く”事が重要である。

~シェア段階と管理戸数~ 民営借家1万戸にて
・存在シェア   7%  700戸 地域で存在感を表している会社
・影響シェア  11% 1100戸 地域で影響を与えている会社
・優位シェア  15% 1500戸 地域で優位性を持っている会社

・トップシェア 26% 2600戸 地域で一番店の会社
・寡占化シェア 31% 3100戸 地域で圧倒的1番店の会社
・相対シェア  42% 4200戸 地域で競合にも圧倒的な会社
・独占シェア  74% 7400戸 地域で絶対的な独占会社

シェアの高い会社は、複合型で、上記に上げた各種取り組みに合
わせて、多くの商品をそろえ、多くの媒体・広告から、多くの接
触頻度をもって増やしていく事をおススメします。いわゆる強者
の戦略です。逆にシェアの低い会社さんは、弱者の戦略でいかな
いと勝てません。つまり自社が勝てる商圏、勝てる商品、勝てる
オーナー客層にて、1点突破が必要かと思われます。
(例:1室からの中古物件リノベーションからサブリース、法人
向けのマンスリー物件推進、外国人賃貸の推進など)。2020年の
キーワードは良くも悪くもサブリース切り口になるのではと考え
られます。

2.賃貸管理デジタル革新×管理の粗利売上最大化=生産性向上
2020年、賃貸管理業のデジタル戦略は、以下のように考えます。
<情報入力・出力>
業務効率 最初の情報のデジタル入力が重要です。その入力内容
は、データベースになり、その後の業務を効率化します。
作業はRPA、分析加工はAI。電話、FAX、手書き入力は、最初から
使いません。お部屋探しの最初の段階の「個人情報」から、
デジタル入力を行い、その後の賃貸借申込、保険保証の申込、新
規契約書、更新契約書、退去精算に至るまで、全てデジタル上で
進めていきます。
※紙による重説の郵送、署名、捺印については現状変えるのは難
しいですが、今後の社会実験から電子化の可能性があり、又サブ
リースによる貸主としての契約より重説を行わないケースも考え
られます。

<既存システムとの連動>
既存システム(管理ソフト)と、新たなデジタルデバイスとの
連動が最も重要です。互換性がなければ、CSVにて連動した
コピー基幹システムにて繋げられれば、デバイスは増やして良い
と思います。単なる個別のデジタルデバイスばかり増やしても効
率化は図れません。

<入居者・賃貸管理会社・オーナーでのデジタル連動>
賃貸管理テック化は、入居者アプリとオーナーアプリと基準ソフ
トコピーに各デバイス、これが理想的な形だと考えられます。
今後は、クレームのチャットによるAI対応など新しい仕組みも出
てきます。よりオーナーの収益UPによる満足と、入居者への快適
な住まい提供による満足、そして自社の生産性向上の動きから
社員満足になるよう目指してください。

<賃貸仲介の無来店型へ>
部屋探しの利便性!検索、問い合わせし易く、案内・契約し易い
型をつくります。
営業マンの数は増やさず、業務効率・生産性向上ができる環境を
作っていきます。
地域一番の管理戸数シェア、サブリース契約(貸主代行)などに
よる契約の簡素化など、基本戦略が必要になってきます。

もちろん、自社の業務が標準化されていなく、安易にデジタルツ
ール、テックシステムを入れても逆効果になってしまう会社もあ
ります。その場合は、外注などを活用してでも、まずは自社の業
務の標準化(手順をもって社内共通で業務を回せる状態を作る)
を進めてください。

さらに、賃貸仲介でも、賃貸管理でも、持ってる最大限の可能性
を引き出す粗利売上、生産性も考えていかないといけません。

<賃貸仲介>
一人当たり粗利生産性 900万⇒1,500万 管理1,000戸 家賃6万
地方商圏
(1)組織体制|6,000万を4名で回す
・店長+営業3名、web、事務(テック)各0.5名
・通常月@12万×36件=430万
(2)商品力の強化|目標単価12万円以上
・自社商品、自社付向上、付帯販売の確立
・地域内紹介(掲載)物件1番シェア整備
(3)集客力の強化|目標来店20件/月以上
・web戦略室、自社web、AI返信、VR案内

<賃貸管理>
1人当たり粗利生産性 1,200万⇒2,000万 管理1,000戸 家賃6万
地方商圏
(1)組織体制|1,000戸を3名で回す
・オーナー担当1名 ・サービス担当1名
・事務0.5名 業務0.5名
(2)売上構成|目標6,200万以上
・管理料3,200万(入居率90%超・5%管理)
・工事粗利2,000万(退去、大規模、修繕、清掃)
・その他1,000万(自社保証・24時間・売却紹介)
(3)業務効率|電話・移動・紙を無くす
・テックツール(電話、資料作成)
・アウトソーシング(クレーム、退去立会、大規模)
(4)営業力の強化|目標成約率60%以上
・営業案件&業績KPI&実績数値の管理徹底

3.賃貸管理業から新規事業への展開
地域特化での賃貸仲介件数、管理戸数のシェアが上がり、生産性
向上を進めると、不動産周辺業態での、新たな柱(新事業)への
取り組みを進めるケースが増えています。

~船井総研・賃貸管理会社会員企業265社の新事業状況は?~
(1)法人マンスリー事業 42社
(2)相続サポート事業(不動産活用)35社
(3)コインパーキング・コンテナ事業 28社
(4)空き家など買取再販事業 22社
(5)収益アパート企画・販売事業 15社
(6)貸会議室事業 12社
(7)外国人賃貸事業 9社
(8)民泊・簡易宿所・ホテル事業 7社
(9)土地活用事業(高齢者・障碍者)7社
(10)建売・分譲住宅事業 5社
(11)注文住宅事業(企画住宅) 4社
※収益売買仲介、賃貸リフォーム等は直接関連業態の為除く

一次商圏(駅・市・地域・県)でのシェア10%以上、売上利益率
5%以上(粗利利益率10%以上)、業務効率での既存人員が
整える場合、不動産周辺業態での新しい事業を始め、今以上の
利益向上、社員育成を目指してください。

2020年の取り組むべき戦略は、改めて管理戸数拡大によるシェア
UP、そして業務の効率化から自社の資源を活かした粗利の最大化
による生産性UP、そして賃貸管理・不動産に関連した業態での
新事業への展開、この流れが最も成功への近道だと感じています。

2020年は、120年ぶりの民法改正、56年ぶりの
東京オリンピック、歴史的に大きなイベントが続き、いよいよ
景気後退の可能性も示唆されています。こんな時期こそ、大きく
成果を出して地域で抜きんでる機会にもなります。
ぜひ今一度、自社の戦略を見直して、成功への道へ進む年にして下さい。

本年も宜しくお願いいたします。

同じテーマで記事を探す: 業績アップ全体
メルマガ登録 財務面でのお悩みを解決!無料レポートダウンロード