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完成待てず「2棟目」着手 – あるお医者さんがどうしても建てたかった「緩和ケア住宅」とは

 
今、地域のお医者さんが「緩和ケア住宅」を建てる例が増えていることを、皆様はご存じでしょうか。実はタイトルにもある通り、1棟目の完成を待てず、2棟目の土地を購入し着工するお医者さんがいるほど、この市場は過熱しています。

先生はなぜ、こんなにも2棟目を急いだのでしょうか。答えはシンプルで、とにかく「足りない」からです。現に完工時には7割の部屋が予約で埋まり、問い合わせペース的には満床まであと1ヵ月もかからないとのこと。さらには入居者の2割が他県からというのも驚きで、いかに緩和ケア住宅が求められているかを物語っています。

ちなみに今回の先生が建てた緩和ケア住宅は居室数は25室で、単価は約2億(本体価格)。2棟目も同規模を予定しています。同じ施主から、1年以内に2棟4億もの建築依頼をいただける理想的な事例とも言えます。

さて、国は現在、在宅医療を強く推進しています。これからは病気になっても、病院ではなくなるべく自宅や介護施設で暮らしてもらうことで、少しでも高止まりする入院費を抑えたいという考えです。

そのため、家や施設へ訪問してくれる先生には、様々な優遇をするという方針になっています。

聞こえは良いのですが、重度な患者さんは、そうもいきません。とは言え今、病院は簡単には入れず、特養などの介護施設も受け入れ態勢はほとんど皆無…。そこで出てきたのが、お医者さんが手掛ける「緩和ケア住宅」という新たなお住まいであり、お医者さんにとっても極めて有望なビジネスモデルです。

そもそも緩和ケア住宅の“緩和(かんわ)ケア”とは、重たい病気になった人の身体的・精神的な辛さを和らげる医療や介護のアプローチのことを言います。そのコンセプトは、「病院並みの高度な医療と、限りなく自宅に近い自由な暮らし」が両立きるというもの。医療費抑制にもつながり、尚且つ訪問診療をする先生の移動負担がゼロになる点からも、極めて収益性の高い事業提案なのです。

医療業界においても、建築業界においても、緩和ケア住宅はまだまだ出てきたばかりで認知されていません。名称も緩和ケア住宅だけでなく、ある先生はメディカルホームと呼び、ある先生はナーシングホームと呼びます。末期がん患者専門というコンセプトで「ホスピス住宅」と名付ける先生もいらっしゃいますが、要するに、すべて緩和ケアが必要な方を対象としたお住まいであることに変わりはありません。

ここまでお読みくださり、誠にありがとうございました。「もっと詳しく知りたい」「様々な地域の事例をたくさん学びたい」「具体的に建築につなげる手法論や事例を知りたい」という方にオススメなセミナーをご用意させていただきましたので、ぜひこの機会にご参加をご検討ください。

 

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