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賃貸仲介の売上アップ、集客数アップ、営業力アップ、組織力アップのためにやるべきこと
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- コンサルティングコラム
いつもありがとうございます。船井総研の宮下です。
賃貸不動産ビジネスでの「マネジメント力アップ」を
専門とする経営コンサルタントです。
今回は、前回の私のコラムでお伝えした
「賃貸仲介の売上アップにために絶対にやるべきこと」で
触れることができなかった部分をお伝えします。
※前回のコラム
https://fhrc.funaisoken.co.jp/chintai/column/29820.html
前回は、
いま全国各地の賃貸仲介店舗で起こっている「共通の出来事」こととして、
下記の3つを挙げさせていただきました。
①反響来店率ダウン
②来店成約率ダウン
③社員さんの退職
①の内容および対策については、前回お伝えしましたので
今回は②③についてお伝えしてまいります。
【今回お伝えしたいこと】
1.アフターコロナの2023年は「選択の分岐点」になる
2.もう1度「儲かる賃貸仲介」を実現する!
3.店長のマネジメントを徹底する環境整備
1.アフターコロナの2023年は「選択の分岐点」になる
来店成約率が下がる要因は「営業担当者の負担が大きくなっているから」です。
インターネット時代、オンライン接客時代となり、
いま40代以上の方々が仲介営業を行なっていた時代と比較して
賃貸仲介で行なうべき作業が各段に増えています。
物件仕入れ、各種WEBサイトへの物件掲載、各種WEBサイトへの物件写真掲載、
各種WEBサイトでの物件掲載更新、メール反響対応、メール反響追客、
来店時対応、来店後追客、申込後の進捗対応、契約対応などなどです。
まさか、これらをすべて営業担当者タスクにしている会社さまはないと思いますが、
競合他社に勝ち、顧客に選ばれ、しっかりと安定売上を上げ続けるためには
「チーム制」で賃貸仲介ビジネスを行なっていく必要があります。
成長し続けている賃貸仲介会社、黒字経営し続けている賃貸仲介会社さまでは、
下記のような体制でチーム編成しています。
①物件仕入れ担当: 物件仕入れ、空室対策提案、管理委託提案
②物件掲載担当: 各種WEBサイトへの物件掲載、物件写真掲載、物件掲載更新
③問い合わせ担当: メール反響対応・追客、電話反響対応・追客
④店舗営業担当: 来店時ヒアリング、物件紹介、追客、契約対応
⑤営業アシスタント:来店時案内、物件写真撮影、契約関連書類準備
⑥課長・店長: 全体マネジメント(案件・進捗・行動・目標・数値の管理)
皆さまの会社では、いかがでしょうか?
経営相談をいただいた際に
「大きな会社ならできるだろうけど、うちでは無理かな」
「店長は自ら稼ぐプレイングマネージャーじゃないと成り立たないよね」
といった回答をいただくことがありますが、
賃貸仲介のフィールドで、周りの競合店と五分に戦っていくならば
今後も継続的に商売をしていくならば、
こういったチーム編成にしていかねば黒字体質で生き残っていくことは出来ません。
なにより、そういった厳しい体制で毎日を過ごしていれば、
入って間もない新人社員だけでなく、長年努めてくれた中堅社員・店長も
気持ちが続かずに退職していくことになってしまいます。
事実として、全国の賃貸不動産会社でそういう状況が発生しています。
時流に合わせてどういうビジネスモデルを選ぶか?、
どういうやり方で商売を継続するか?は、経営者にしかできない仕事です。
いま、賃貸仲介ビジネスは、地域でトップ3までしか
生き残ることができないモノになっています。
勝てる体制、儲かる体制にして勝負をするか?
賃貸仲介から「空室対策」「賃貸管理」「収益物件売買」などにスライドして
新しいやり方で商売をリスタートさせるか?
アフターコロナの2023年は、その選択をするべき分岐点になると思います。
2.もう1度「儲かる賃貸仲介」を実現する!
全国各地の不動産会社さまの経営コンサルティングをさせていただいていて
直面している「現実」をお伝えしましたが、暗い話をしたいわけではありません。
どんな商売でも、
消費者が求めるニーズに従ってビジネスモデルを組み立てていれば
しっかりと儲けを出して継続していくことが出来ます。
賃貸仲介からスライドして別のビジネスを選択する件については
別のコラムに譲るとして、本コラムでは、改めて
もう1度「儲かる賃貸仲介」を実現するためのビジネスモデルをお伝えします。
いま、賃貸仲介の接客は「3ステップ」になってきています。
【ステップ①】事前ヒアリング: 来店前にファーストヒアリングを完了
【ステップ②】事前の物件準備: ヒアリングした内容に基づいて物件準備
【ステップ③】実来店時の対応: 物件案内、クローズヒアリングに注力
いま40代以上の方々が仲介営業を行なっていた時代と比較して
「来店してから接客が始まる」のではなく、
来店前に接客を始めることができるようになっています。
携帯電話はもちろんですが、LINE、SMSを通じて軽いやり取りが可能であり、
反響の8割を占めるメールでの物件問合せ内容から、
ある程度の部屋探し条件をうかがい知ることはできます。
ですので、事前にヒアリングすべき内容は
「居住人数」「通勤通学先」「いまの住まい」の3つだけで済みます。
そこから、相手の生活シーンを想定して
そのシーンに都合の良い部屋探しの条件をコチラで設定し、
その際に「ヒアリングシート」も作成してしまいながら
マッチングする物件を探してSNSで紹介して感想を聞き、
あとは実来店で最終チェックをしていただくために呼び込む流れです。
そうすると、
来店当日に行なうことは「物件案内」「クローズヒアリング」の2つとなり、
1客60分程度で接客を完了することができます。
貴重な土日に、午前中2組・午後2組・夕方2組の接客ができ、
営業スタッフが3名いれば「最大18名」を1日で応対することができます。
大事なことは、現代賃貸仲介スタイルの3つのステップを
「チーム制」で行なうということです。
【ステップ①】事前ヒアリング: 問い合わせ担当が対応
【ステップ②】事前の物件準備: 店舗営業担当&店長で対応
【ステップ③】実来店時の対応: 営業アシスタント&店舗営業担当で対応
そうすることで、
各ステップで行なうべき事項をヌケモレなく徹底できますから、
反響来店率・来店成約率ともにアップし、当然ながら売上がアップします。
ただ、ここで絶対に欠かしてはいけないことが1つあります。
ここを「これまでの流れ」のままにしておくと失敗に終わります。
3.店長のマネジメントを徹底する環境整備
「チーム制・賃貸仲介ビジネスモデル」の実現に絶対に欠かせないこと。
それは、「店長によるマネジメント」です。
以前は個々の営業担当者がそれぞれに完結していた6つの仕事。
「①物件仕入れ」「②物件掲載」「③問い合わせ対応」
「④店舗営業」「⑤契約関連」「⑥自己管理」を担当分けするのですから、
各自の主体性に任せておいたらバラバラになってしまったり
境目にある仕事を押し付けあって雰囲気が悪くなってしまったり
ということが起こります。
それを調整して、チームを一体化させて顧客のほうを向かせ、
目標達成・目的実現に向かって「チーム全体のチカラを最大発揮」
させるのが店長の役割です。
その役割を現場任せ、属人的にしていたらうまく回りません。
店長のマネジメントがしっかり機能するように
「環境整備」を行なうことは、経営者のお仕事です。
店長が果たすべきマネジメント機能は、主に5つ。
①案件管理
②進捗管理
③行動管理
④数値管理
⑤目標管理
これらを「一元化」「オンタイム化」「自動化」された
データベースで行なうことができるようにすること。
それこそが「環境整備」にあたります。
その詳細は、また別のコラムでお伝えします。
ではでは。
【東京・大阪開催】もう1度儲かる賃貸仲介「V字回復」セミナー
宮下 一哉
1973年生まれ、神奈川県出身。 2002年に船井総研入社し、賃貸管理会社向けの コンサルティングに20年超従事している。 「マーケティング×マネジメント」視点での 総合的な差別化戦略構築により 「100億×100年企業づくり」をサポートし、 大手・中堅企業から全国各地の地域一番店の コンサルティングを担当。 「ビジョン経営」「DX」の推進などによる 社内一体化や高収益体質化を進めていく手法が 好評を得ている。