船井総合研究所 住宅不動産専門コンサルティング 住宅不動産コンサルティング.COM1dayリフォーム1day
リフォーム

利益を残すリフォーム経営の秘訣

◎今週のコラムは
「利益を残すリフォーム事業の秘訣」です
結論からいうと
“粗利意識”です。
事業の生産性は粗利意識で大きく変わります。
試算はコラムの最後にてご覧ください。

リフォームに限らず、生産性は粗利率のコントロールで大きく変わります。
そんな中でも、リフォームという業界は一般的に粗利率が高くありません。見積の段階では粗利率が取れるように設定したはずなのに、どうして上げる事ができないのか。
その理由は以下のように考えられます。

①経営者の粗利意識が低い
→粗利率が低い会社の半分以上がこれに当たり、経営者の意識で大幅に改善できます。
そもそも、粗利というより売上を上げる事に目が行きがちな場合、このようなことがあります。
②粗利率向上に向けたPDCAの機会がない
→下限粗利ルールの厳格化、粗利が下がる事例の共有と検証がなされていない場合が多いです。粗利がどれだけ取れているのか、今回は何故下がってしまったのか検証ができる体制ができているでしょうか?
③施工を「外注丸投げ」のままにしている
→1番商品から自社施工化を進めていかないと、競争力と高粗利を両立できません。
④商品仕入のルート見直しや改善を行っていない
→仕入れが上手い経営者は、主力商品の販売台数目標を仕入れ先と握りあって入り値を決めています。
⑤高粗利率の付加価値がない
→他社と差別化するスピードの実践、工事品質の向上、工事保証等、値段が上がっても納得いただけるサービスが提供できているかです。
⑥マーケティングが機能していない=集客に余裕がない
→営業案件に余裕がないため、強気の提案ができなくなり、粗利率を下げて受注してしまいます。相見積もりになった時、価格勝負となり、粗利率はどんどん落ちていきます。
また、1番商品の仕事量を確保しないと、原価ダウンに向けた交渉もできません。

理由は数多くありますが、経営者が本気で取り組めば、1年間で5%の粗利率向上も可能です。実際に船井総研の1DayReform研究会員様にも達成された会社様もいらっしゃいます。
“粗利を多くとる事=顧客に悪い”という考えを捨て、
“顧客にとって1番の不幸=会社、サービスが無くなる事”という事を頭に置き、
利益をとり、さらに良いサービスを提供するという意識が大事なのです。

では具体的にどうすれば良いか、今回は5つの施策をご紹介します。

施策①粗利率の下限ルールとPDCAサイクル
→スプレッドシートやExcelを使い、受注粗利-完工粗利の見える化を行います。
そして毎月決めた日に、粗利率が規定よりも低かった案件を事例として取り上げ、
粗利率が下がってしまった要因と対策の全体共有の場を設けます。
この時の注意として粗利率の下限ルールは予算帯別に設ける事です。
理由は一律○%にしてしまうと高単価案件では無理がたたってしまい、ルール自体が形骸化してきてしまうためです。総合的に高粗利率にすればよいのです。
粗利が上がっている会社の例では
「1Day小工事なら38%、機器交換なら35%、改装工事なら33%」
という傾斜でルールを決めています。

施策②1番商品群の自社施工化・専属施工化
→主力商品である、トイレ、コンロ、給油器からスタートします。
自社施工・専属施工化により、粗利率を上げるだけでなく、
即日完工も可能になり、更なるスピード対応で競合と差別化ができます。

施策③設備機器の仕入れ競争力を高める
→目標販売台数を掲げ、それを着実に達成していくことで、
売上に占める機器交換比率を上げ、仕入れ先と良好な関係性を築き
仕入れ掛け率の低下を図ります。

施策④「物売り」以上の付加価値を付ける
→まずは、初訪スピードの改善です。こちらも見える化が鍵になります。
商訪スピードを重要品質として捉え、
案件ごとに「2時間以内」「当日中」「お客様日時指定あり」など、チェックを行い
担当者ごとの2時間以内実施率も数値化し、スピード対応徹底力を上げます。
次に見積もりスピードの改善です。こちらは「現地調査チェックリスト」「パックメニュー」等のツール類を用いて、その場見積もり比率を上げます。
更に施工品質の差別化として、「工事保証書」などの手法もあります。

施策⑤集客数を増やす
→オープン後販促をしっかり行います。
折り込みエリアの反響率分析、エリアチューニングで毎月折込の強弱をつけ、
適宜集客イベントを実施するなど、地道な取り組みで現調数増を図る事が
重要です。

以上5つが今回お伝えする施策になります。
なおこういった販促方法は、リフォーム事業における
マーケティングのほんの一例でしかありません。

いかがでしたか?
粗利を一定数取り、儲けを出さなければ事業を続ける事ができず、
エンドユーザーにサービスを提供する事もできません。
そこで正しい手法で粗利率を伸ばす必要があるわけです。
そうでなければ“ただの値上げ”になってしまうからです。

このコラムでは、粗利意識を持ち、生産性を上げる事をお伝えました。
これまで地方を愛し、地方の方に愛され続けられてきた会社が
更に地方を支え、発展させる参考にしていただけましたら幸いです。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
引き続き、ご愛読、どうぞよろしくお願いいたします。

例:営業3名、事務1名で月商900万円(年商1億円ペース)の場合
粗利率30%                粗利率37%
月間売上高:9,000,000            月間売上高:9,000,000
→粗利高:2,700,000             →粗利高:3,330,000
人件費:1,200,000              人件費:1,200,000
法定福利: 156,000             法定福利: 156,000
広告宣伝費: 450,000           広告宣伝費: 450,000
減価償却: 58,000                  減価償却: 58,000
地代家賃: 200,000               地代家賃: 200,000
その他経費: 150,000            その他経費: 150,000
本社経費: 300,000            本社経費: 300,000
→販管費合計:2,664,000           →販管費合計:2,664,000

粗利高-販管費経費=営業利益であるため 粗利高-販管費経費=営業利益
2,700,000-2,664,000=36,000                    3,330,000-2,664,000=666,000
営業利益率=0.4%              営業利益率7.4%
※1.人件費→営業月35万円/営業サポート月20万円で計算
※2.法定福利→法定福利・福利厚生費は給与の13%で計算
※3.広告宣伝費→チラシ月6万枚、ホームページ費用、その他

文責 白髭祐紀